10月9日、米中西部イリノイ州シカゴの連邦裁判所は同州司法長官が起こした訴訟を受け、トランプ政権によるイリノイ州への州兵派遣を一時的に差し止める判断を下した。シカゴで9日撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon)
[シカゴ 9日 ロイター] – 米中西部イリノイ州シカゴの連邦地裁は9日、トランプ政権が移民取り締まりなどで進める同州への州兵派遣を一時的に差し止める判断を下した。
地裁判事はこの日開かれた弁論を受け、ブロードビュー郊外にある移民施設での抗議活動中に起きた暴力について、政府側の主張を信用することは難しいと指摘。連邦移民・関税執行局(ICE)職員の行動が抗議活動を引き起こしたのであり、州兵を派遣することは「被告自身が引き起こした火に油を注ぐだけだ」と述べた。
差し止め令は少なくとも23日まで有効となる。
ホワイトハウス報道官は、差し止め令を不服として控訴すると述べた。
イリノイ州のプリツカー知事はソーシャルメディア投稿で「ドナルド・トランプは王ではない。政権が法律の上に君臨しているのでもない。イリノイ州で反乱が起きたという確かな証拠はないという、われわれ皆が知ることを裁判所は確認した。そして、シカゴのような米都市の通りに州兵の居場所はない」と述べた。
地裁判断が出たころ、ブロードビューにあるICEセンターのゲート内では、6人ほどの州兵が動き回っていた。外には10人ほどの抗議者グループがいた。
これとは別に、カリフォルニア州サンフランシスコの連邦高裁でも、西部オレゴン州ポートランドへの州兵派遣差し止めを命じた地裁の判断を巡り審理が行われた。
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