米政府は9日、アルゼンチン経済の安定化に向けた動きを加速させた。数週間にわたり急落に見舞われているアルゼンチン・ペソを下支えするため、200億ドル(約3兆600億円)の金融支援を打ち出すとともに、外国為替市場への異例の介入も実施した。
ベッセント米財務長官はSNSへの投稿で、アルゼンチン中央銀行と200億ドルの通貨スワップ枠で最終合意したと明らかにした。また、支援の一環として同日に米国が直接、アルゼンチン・ペソ買いの為替介入を行ったとしている。
同氏は「米財務省として、市場の安定確保のために必要と判断されるあらゆる例外的措置を即座に講じる用意がある」と説明した。アルゼンチン当局は独自に為替相場の安定化を図っていたが、ペソ安に歯止めをかけることができずにいた。
トランプ米大統領とベッセント氏は、過去数十年にわたりデフォルト(債務不履行)と通貨切り下げを繰り返してきたアルゼンチンに賭けている。政治的同盟者であるミレイ大統領が今月26日の議会中間選挙で勝利を収めるのを支援し、左派勢力の復権への懸念で不安定化した市場を落ち着かせることが目的だ。
ミレイ氏はX(旧ツイッター)への投稿で今回の介入を歓迎し、トランプ氏とベッセント氏に謝意を表明した。

米政府、アルゼンチン向け金融支援を打ち出す
Source: Bloomberg
ベッセント氏はアルゼンチンの苦境を「深刻な流動性不足の一時的局面」と表現し、同国の債務履行能力に根本的な問題はないとの見方を示した。米国が支援の見返りとしてアルゼンチンに何を求めているのかは現時点では明らかでない。ミレイ氏は、中国との180億ドル規模のスワップ協定を破棄するよう米国が求めたとの見方を否定している。
ベッセント氏の発表前には、米国がアルゼンチンにペソの自由変動制導入を求めるとの観測も浮上していたが、ベッセント氏は同国の「為替バンドは現状、目的にかなっている」との見解を示した。
ベッセント氏は「アルゼンチンの政策は、財政規律を守る限り健全だ」とコメント。また、アルゼンチンでの事業展開を望む米企業への投資優遇策についても協議したと明らかにした。
今回の発表を受け、アルゼンチンのドル建て国債は全年限で上昇し、流動性の高い一部債券は額面1ドル当たり4セント強上昇してこの日の高値を付けた。また、ペソの対ドル相場は、過去1週間余りで初めて当局の市場介入が見送られたことで2.7%安で始まったが、結局、0.7%高で取引を終えた。
この発表に先立ち、ベッセント氏らはカプト経済相を含むアルゼンチンの経済チームと数日間にわたり協議を行っていた。カプト氏は今週、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事とも会談した。
原題:US Launches Financial Rescue of Argentina, Treasury Buys Pesos(抜粋)
(背景や市場の反応などを追加して更新します)

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