レンジローバーの後部座席にハリー王子が乗っているのが見える。フロントシートに座る関係者2人の人影が、空を映すガラス越しに写っている

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画像説明, クラレンス・ハウスに到着したハリー王子(10日、ロンドン)

2025年9月11日

ショーン・コフラン王室担当編集委員

イギリス国王チャールズ3世は10日、ロンドンのクラレンス・ハウスで次男のサセックス公爵ハリー王子と面会した。2人が対面するのは、2024年2月以来となる。

チャールズ国王の公務を管理するバッキンガム宮殿は、国王が同邸を訪れたハリー王子と約50分間にわたり、非公式のティータイムを過ごしたことを認めた。

面会後、ハリー王子は記者団の質問に対し、「そうだ、元気だ」と国王について語った。

英王室では、ハリー王子と家族との間に深刻な亀裂が存在していたとみられている。この面会は、父子間の関係改善と信頼構築に向けた第一歩と受け止められている。

雨粒のついた車のウィンドウ越しに、後部座席に乗ったチャールズ国王の横顔が見える。手前側の座席には関係者が同乗している

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画像説明, チャールズ国王は10日朝、バルモラルからクラレンス・ハウスに向かった

チャールズ国王が、スコットランドからロンドンへ移動したのは10日午後だった。一方、ハリー王子は、2020年以降アメリカに拠点を置いているが、今週は慈善活動のためにイギリスを訪れている。

ハリー王子が次の予定地へ車で移動した後、バッキンガム宮殿は、今回の非公式な面会について、これ以上のコメントは行わないと発表した。

ハリー王子は8日にイギリスへ到着し、ロンドンとノッティンガムで複数の慈善イベントを行っている。今回の訪英に際しては、父チャールズ国王との面会があるかどうかに注目が集まっていた。

現在、ハリー王子は妻のメガン妃と子どもたちと共に米カリフォルニア州で生活している。今回の訪英に、家族は同行していない。

ハリー王子とチャールズ国王の写真が並んでいる

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ハリー王子はこれまで、チャールズ国王の健康状態に懸念が生じた際に、父と話すことができなかったことへの不満を表明していた。

BBCのインタビューでハリー王子は、「これ以上争い続ける意味はない、人生は貴重だ」と語っている。

チャールズ国王とハリー王子の面会は、家族間の亀裂を解消しようとする動きがうわさされる中で行われた。

今年7月には、ハリー王子の代理人とバッキンガム宮殿の関係者がロンドンで会談する様子が撮影され、「和平サミット」と報じられた。

一方、今回の訪英期間中にハリー王子が兄のウェールズ公ウィリアム皇太子と面会した様子はなく、両者はそれぞれ別の予定をこなしている。

ハリー王子は8日、祖母の故エリザベス女王の死去から3年となる日に、女王の墓前に献花を行った。

その約16キロ離れた場所では、ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃が英女性協会の集会に出席し、故女王をしのんだ。

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