トランプ米政権が、中国系のルーターメーカー、TPリンク・システムズの米国事業を制限する措置を講じるか検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
具体的には、昨年開始した中国との関係を巡る調査の結果を受けて、TPリンクが国家安全保障上の脅威にあたるとの「仮決定」を出すかどうかが検討されているという。
こうした評価自体はすでに一定期間準備されていたが、ここにきて手続きを加速させる動きが活発化していると、関係者は話している。仮決定が下されれば、TPリンクの米国事業の制限、または禁止へと一歩近づくことになる。
TPリンクを巡る動きは、トランプ大統領と中国の習近平国家主席が今月末に首脳会談を予定している中で起こった。中国は今週、レアアース(希土類)輸出を巡って新たな制限措置を発表。米国との交渉を前に圧力を強めている。一方、対中強硬派の米議員らはトランプ氏が貿易合意を優先する中で、中国に対して弱腰になっていると懸念している。
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TPリンクを巡っては、米与野党双方の議員が同社の無線通信機器が中国のハッカーに悪用される恐れがあるとして懸念を表明。5月には上院情報委員会のトム・コットン委員長を含む十数人の共和党議員が、米国内でのTPリンク製品販売の禁止を求めた。
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トランプ氏は2019年、外国の敵対勢力と関連する情報・通信技術企業の米国内事業を禁止できる権限を商務省に付与する大統領令に署名。今回の調査はその権限に基づいて実施されている。同大統領令では、国家安全保障上「容認できないリスク」をもたらすと判断された場合、商務省が該当企業の米国での活動を制限できる広範な権限を認めている。
TPリンクには、最終判断が下される前に異議を申し立てる機会が与えられる見通しだ。
TPリンクの広報担当者は声明文で「あらゆる懸念の解消に向けて商務省と引き続き緊密に連携していく。当社の事業と製品の安全性が認められる結果になると確信している」と述べた。
ホワイトハウスの報道官は現時点でコメントの要請に応じていない。

深圳のTPリンク工場(2020年)
Photographer: Liang Xu/Xinhua/ Getty Images
原題:US Weighs Action Against China-Linked Router Giant TP-Link (1)(抜粋)
— 取材協力 Shawn Donnan, Catherine Lucey and Jennifer A Dlouhy

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