2022年10月、ロシア・リャザン州にある西部軍管区の動員予備役兵のための軍事訓練施設を視察するプーチン大統領(写真:代表撮影/AP/アフロ)
(国際ジャーナリスト・木村正人)
「欧州に選択の余地はない」
[ロンドン発]「戦争、地政学上の不確実性、そしてロシアのウラジーミル・プーチン大統領が始めた新たな軍拡競争により欧州に選択の余地はなくなった。欧州はこの軍拡競争に備えなければならない。ロシアは40年前のソ連のように敗北するだろう」
ウクライナ支援と欧州の安全保障を強化するためブリュッセルで欧州連合(EU)首脳会議が開かれた3月6日、ポーランドのドナルド・トゥスク首相はX(旧ツイッター)にこう投稿した。「欧州はロシアよりも賢明かつ迅速に軍備を増強していく」とも書き込んだ。
首脳会議前にもトゥスク氏は報道陣に「欧州全体はロシアとの軍事的、財政的、経済的な対立に勝利できる真の能力を持っている。われわれは単純に強いのだ。われわれはただそれを信じ始める必要があった。そして今日、それが実現しつつあるようだ」と力を込めた。
米ホワイトハウスで行われたウクライナ和平交渉で同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領とケンカ別れしたドナルド・トランプ米大統領は即座にウクライナへの軍事援助と情報共有を止めた。この出来事は欧州にとって「明日はわが身」だ。米国はもう当てにはできない。
2月28日、歴史に残るアメリカ・ウクライナ両国首脳同士による「決裂会談」(写真:ロイター/アフロ)
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