By

Reuters

掲載日

2025年10月8日

イタリアの検察当局が、靴メーカーのトッズ(Tod’s)のサプライチェーンにおける労働者虐待の疑いをめぐり、同社を司法管理下に置くよう求めている。

コレクションを見るトッズ - 2026年春夏 - ウィメンズ - イタリア - ミラノトッズ – 2026年春夏 – ウィメンズ – イタリア – ミラノ – ©Launchmetrics/spotlight

トッズはロイターに対し法令順守を強調しており、昨年初め以降、イタリアで同様の監督下に置かれる6番目の高級ブランドとなる可能性がある。

これまで公表されていなかったサプライチェーンに関する調査は、水曜日にロイターが確認したイタリア最高裁の決定で明らかになった。同決定は、本件をめぐるミラノの検察当局と地元控訴裁判所との争いについて、審問期日を設定するというものだ。

ロイターへの声明で、トッズは来月の審問について通知を受けたものの、それ以上の詳細は把握していないと述べた。
「トッズは労働法を含む現行法を遵守しており、当社が選定・利用する工房に対しては継続的なチェックを実施しています」と、改めて強調した。

また、トッズのための業務開始前には、工房が従業員の職場環境の質と労働契約の遵守を保証する協定に署名しているとも付け加えた。

検察当局は、より高い利益を追求するあまり、トッズが過失によりサプライヤーの監督を十分に行わなかったと主張している。ただし、同社自体は捜査対象ではなく、焦点はサプライチェーンの是正に置かれている。

検察側は、ミラノ裁判所が司法管理の申立ては根拠があるとしながらも、本件の管轄はトッズの本拠地であるイタリア中部マルケ州にあると判断したことを受け、最高裁判所に持ち込んだ。

誰が管轄権を有するかを判断するため、最高裁判所は11月19日に審理を行うことを決定した。

イタリアの司法当局による捜査により、ファッションおよびラグジュアリーのサプライチェーンにおける広範な
労働者搾取が明らかになっている。

トッズの件を受け、イタリアのアドルフォ・ウルソ産業相は水曜日、政府がファッション企業の法的認証を創設する法案を提出したと述べた。

この取り組みの下では、法的措置の対象となったブランドを含め、各ブランドはサプライチェーンの法令遵守について事前に第三者認証を取得できる。

「この措置により、『メイド・イン・イタリー』の誇りであるイタリアのファッション・サプライチェーンを確保し、その世界的な評判を守ることが可能になる」と、ウルソ氏はイタリア・メディアに語った。

伊高級カシミア企業ロロ・ピアーナや、ファッションブランドのヴァレンティノ、LVMH傘下のディオール、イタリアのアルマーニ、そしてイタリアのハンドバッグ企業アルヴィエロ・マルティーニの事業部門は、労働者搾取の疑いで以前に司法管理下に置かれている。

このうち、アルマーニ、ディオール、アルヴィエロ・マルティーニに関する初期の措置は、各社が実務を法的要件に沿う形へと改めた後、解除された。

フランスのラグジュアリーグループLVMHが支援するプライベート・エクイティ企業Lキャタートンは昨年、トッズの筆頭株主であるデッラ・ヴァッレ家との合意に基づき、トッズを非公開化した。

裁判資料によれば、トッズに関する事案はサプライチェーンの末端に位置する下請け業者に関わるもので、ミラノ地域とマルケ州の双方が対象となっている。

イタリアの他の高級ブランドに影響した事案と同様に、この捜査はカラビニエリ警察の労働保護部門による検査から始まった。

ミラノ地域では、2023年から2024年にかけて、トッズは販売スタッフの制服の生産を生産能力のない企業に委託し、その企業は別のイタリア企業に再委託した。さらにその企業は、生産を中国資本の2つの工場に再々委託しており、検査後、これらの工場は労働者搾取の疑いで捜査対象となった。

マルケ州では、トッズは2024年1月から2025年1月まで、アッパーやその他の靴部品の生産について、中国資本の2つの工房(うち1つはさらに別の工場へ下請け)と直接契約していた。

これらの工房では、出来高払いが採用されており、その結果、正味の時給は2.75ユーロ(3.20ドル)から3ユーロ強となり、全国労働協約で定められた10ユーロの半分を大きく下回っていたことを検査官が確認した。

また、裁判資料によると、労働者は毎月の賃金から住居費として150ユーロ、食費として100ユーロを差し引かれていたとされる。

© Thomson Reuters 2025 All rights reserved.

WACOCA: People, Life, Style.