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AFP

掲載日

2025年10月8日

デロイトが水曜日に公表した報告書によれば、米国の関税と中国での需要減退の影響を受けるスイスの時計産業にとって、インドとメキシコが新たな成長の牽引役となり得るという。

スイス時計産業、インドとメキシコに成長の可能性 デロイトスイス時計産業、インドとメキシコに成長の可能性 デロイト – Divulgação

スイスを代表する時計産業は、「近年で最も複雑な時期の一つに直面している」と、同社は第11回「デロイト スイス時計産業調査」で指摘した。

スイスの第3位の輸出産業である時計製造業は、最大市場の米国が8月にスイス製品へ39%の関税を課したことで大きな打撃を受けた。

一方で、スイスの時計メーカーにとってもう一つの主要市場である中国本土向け輸出は、若年層の失業や不動産市場の混乱で需要が冷え込み、減少が続いている。

スイス時計産業連盟(FH)のデータによると、2023年の対米輸出は44億スイスフラン(55億ドル)に達し、2022年比で5%増となった。

中国本土への輸出は20億スイスフランで、26%減だった。

デロイト・スイスで消費財・ラグジュアリー・ファッション部門を率いるカリーヌ・ゼゲディ氏は、成長が加速する新興市場で機会を捉えるべきだと述べた。

「既存市場の落ち込みを和らげるには、新たな成長地域の開拓が不可欠です。インドやメキシコのような国々には若くダイナミックな顧客が多く、イノベーションに前向きです。こうした顧客層の存在が、スイスの時計産業の長期的なグローバル展開を後押しします。」

新たな時計市場

デロイトは2023年の調査で、インドをスイスの時計メーカーにとって将来性の高い市場として位置づけた。その後、スイスはインドと自由貿易協定(FTA)を締結し、10月1日に発効。これにより、スイスの時計ブランドは拡大するインドの中間層へアクセスしやすくなった。

今年の調査では、インドの「旺盛な内需、所得水準の上昇、小売インフラへの積極的な投資」を挙げている。

報告書はまた、スイスが2021年にFTAを結んだメキシコにも光を当てた。それ以降、スイスからメキシコへの時計輸出は5倍に増え、同国はラテンアメリカにおける筆頭市場としての地位を確立した。

デロイトは、メキシコでの時計人気の高まりはソーシャルメディアの影響が大きいと分析している。

それでも、インドは依然として業界で最も成長が速い主要市場だ。

FHの統計によれば、インド向けのスイス時計輸出は昨年25%増の2億7,400万フラン、メキシコ向けは16%増の3億3,700万フランとなった。

こうした伸びにもかかわらず、デロイトは、これらの国々での販売増だけでは、米国の関税と中国の需要減退の影響を完全に相殺することはできないと警告している。

メキシコは昨年、スイス時計産業にとって第15位の市場、インドは第21位だった。

チューリヒ、2025年10月8日(AFP)

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