超小型衛星コンステレーションの企画・設計から量産化、運用までを包括的に手掛ける株式会社アークエッジ・スペースは、宇宙データの利活用によってアフリカ諸国の社会課題を解決し、人材育成を推進するため、複数の覚書を締結しました。

2025年8月に横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)および9月にオーストラリア・シドニーで開催された国際宇宙会議(IAC2025)を通じ、アフリカ各国の政府機関や大学、研究機関との連携を深化させています。

TICAD9で宇宙データを軸に多国間連携を推進

2025年8月に開催されたTICAD9では、アークエッジ・スペースがエジプト日本科学技術大学(E-JUST)、ジョモ・ケニヤッタ農工大学(JKUAT/ケニア)、UNISEC-Global、東京大学大学院工学系研究科の中須賀・船瀬・五十里研究室(ISSL)と、宇宙データおよび衛星IoT技術の応用に関する協力覚書を締結しました。

さらに、ブルキナファソ国の環境・水・衛生省傘下機関であるThe National Council for Sustainable Development(CNDD)とも、人工衛星データやデータ利活用プラットフォームを用いた人材育成やイノベーション促進に関する包括的な協力枠組みを構築しました。

加えて、代表取締役CEOの福代氏が分科会リーダーを務めるCROSS-UのIoT衛星製造分科会では、ガーナ共和国科学・環境・技術省、駐日エチオピア連邦民主共和国大使館、ジンバブエ国家地理空間・宇宙機関、コートジボワールのフェリックス・ウフェ=ボワニ国立理工学院と覚書を締結。

これにより、アフリカ地域全体での宇宙データ活用を基盤とする持続可能な発展および人材育成の推進体制が整いました。

TICAD9会場では経済産業省主催の「署名文書披露式典」に登壇し、日本とアフリカの新たな宇宙協力の方向性を世界に発信しました。

IAC2025での連携によりアフリカ全域へ展開

続いて、2025年9月にオーストラリア・シドニーで開催されたIAC2025(国際宇宙会議)では、アークエッジ・スペースがアンゴラのGabinete de Gestão do Programa Espacial Nacional(GGPEN)と覚書を締結しました。

本協定では、アフリカ全域における宇宙データおよび衛星技術の活用促進を目指し、持続可能な開発を支援する枠組みの構築に合意しています。

これにより、TICAD9での東・西アフリカ諸国との枠組みに加え、南部アフリカを含む広域連携が確立されました。

IAC2025では、国際的な宇宙産業のネットワークを背景に、アフリカでの技術移転・教育プログラム・衛星データ活用モデルの展開について議論が進められました。

アークエッジ・スペースは、宇宙を通じてアフリカの課題解決と産業発展を結びつける実践的な連携モデルを提示し、グローバルパートナーとしての存在感を示しました。

宇宙技術でアフリカの持続可能な未来を支える

アークエッジ・スペースは、衛星コンステレーションと地理空間データプラットフォームを活用し、気候変動対策、農業・森林管理、インフラ監視、災害管理など多様な分野での応用を進めています。

今回の覚書締結により、アフリカ諸国と連携した衛星データ活用の中核体制が整い、地域の社会課題解決と人材育成が加速します。

同社の今後の取り組みとして、①宇宙データを活用した農業、防災、環境モニタリング、水資源管理への応用、②小型衛星設計・開発・利用に関する教育および共同研究、③技術交流・人材育成プログラムの実施、④資金調達やコストシェアを含む協力体制の構築が挙げられます。

これらを通じて、アークエッジ・スペースは「衛星を通じて、人々により安全で豊かな未来を」実現することを目指し、アフリカ諸国と共に持続可能な発展の礎を築いていきます。

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