株式会社NTT DXパートナー(東京都新宿区、代表取締役社長 阿部 隆)は、石川県珠洲市に対し、クラウド・AI 技術と「電話」を組み合わせた自動音声一斉配信システム「シン・オートコール」の提供を開始します。2025年10月5日(日)に実施される珠洲市の防災訓練において公開され、住民に体験いただくとともに、避難所からの報告とりまとめに生成AIを活用し、実際の災害現場での効果を実証します。

1. 背景

 2024年1月に発生した能登半島地震は珠洲市内で最大震度6強を観測し、道路分断や住宅倒壊など甚大な損害が出ました。さらに同年9月には奥能登豪雨が発生し、度重なる災害からの復旧・復興作業が現在も続いており、防災・減災への取り組みが喫緊の課題となっています。

 珠洲市ではこれまでも、防災行政無線やメール配信サービスによる情報配信、自主防災組織を中心に地域一体となった災害対応に取り組んできました。こうした取り組みをさらに強化するため、このたび、災害時の情報伝達手段を補完・強化する「シン・オートコール※」の導入が決定しました。

※シン・オートコール:クラウドと生成AI技術を活用し、固定電話や携帯電話による自動音声で情報を一斉配信・収集・分析するシステム。電話さえあれば利用可能で誰にでも使いやすいため、防災・減災をはじめとして、防犯、見守りなどさまざまな用途で活用可能。

2.珠洲市防災訓練の概要

実施日時:2025年10月5日(日) 午前9時00分〜

対象:珠洲市内全地区

訓練想定:能登半島北岸断層帯を震源とするマグニチュード8.1、珠洲市に震度7の地震が発生。気象庁が石川県に大津波警報を発表。

訓練参加機関:自主防災組織、消防団、消防署、警察署、自衛隊、石川県

訓練内容:

災害対策本部運営訓練(珠洲市、警察署、消防署、自衛隊)※図上訓練

シェイクアウト(自身発生直後に身を守る行動)訓練(全市民対象)

津波・土砂災害避難訓練(全市民対象) 

避難所開設・運営訓練(自主防災組織、消防団等)

3.「シン・オートコール」活用の概要

 大津波および土砂災害を想定した、市内全域で実施する「3 津波・土砂災害避難訓練」において「シン・オートコール」を活用し、仮設住宅の入居者も含めた、それぞれの緊急避難場所及び避難経路の確認を行います。

【実施の流れ】

①指定緊急避難場所及び津波避難ビルへの避難

②各区長が、自身が避難した指定緊急避難場所での避難者数を確認

(津波避難ビルへの避難者数は、担当する市職員が確認)

③各区長及び避難ビル担当の携帯電話に、「シン・オートコール」からの着信

④自動音声により、避難場所や避難者数を聞き取り

⑤報告のあった避難者数を、「シン・オートコール」の生成AIを使って集計


4.今後の展開

 NTT DXパートナーは、今後も日本各地で地域の方と直接お話をしながら、真に必要とされるシステムとして「シン・オートコール」を進化・深化させていきます。特に、災害に脆弱な地域や高齢化が進む地域における活用により、安心・安全な社会の実現をめざします。

5.本件に関するお問い合わせ先

※シン・オートコールはNTT東日本株式会社の特許( 第7419472号・第7438447号・第7549170号・第7553743号)および登録商標であり、NTT DXパートナーはNTT東日本からの使用許諾に基づき提供を行っています。

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