会見に臨む森保監督(撮影・西海健太郎)
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 日本サッカー協会は2日、今月の国際親善試合2試合に臨む日本代表メンバー27人を発表した。森保一監督(57)は世界屈指のスター軍団、ブラジルを相手に前線からハイプレスをかけることを宣言。第1次政権の22年6月の対戦では中盤から守備を始めて0―1と善戦したが、より高い位置からボールを奪いに行く。真っ向勝負を挑み、過去2分け11敗のカナリア軍団から初白星を狙う。

 王国初撃破へ、アジア予選や9月の米国遠征で見せたハイプレスを仕掛ける。森保監督はブラジルを「世界最強グループにいる」と認識した上で「主体は自分たちで戦いたい」と明言。「(9月の)メキシコ戦のようにハイプレッシャーの中で、相手ボールを奪うところは再度チャレンジしたい」と続けた。第1次政権の22年6月の対戦では中盤から後ろにブロックを敷く守備的戦術で善戦したが、今回は主導権を奪いに行く。

 両ウイングバックが相手最終ラインにプレスをかけて高い位置でボールを奪うのが日本の生命線。10試合30得点を量産したアジア最終予選でもショートカウンターからゴールを重ねた。技巧派ぞろいのブラジル相手に機能すれば、どの国にも通用する計算が立つ。プレスを剥がされ続けて守備が破綻するリスクもはらむが、指揮官は「まずはやるべきことをぶつける」と強調。「試合の流れ、その時の力関係もある。状況に合わせてプレーの選択を変えていければ」と付け加えた。

 22年W杯カタール大会は守備を固めて速攻から好機を見いだし、1次リーグでスペイン、ドイツを撃破。16強入りした一方で、決勝トーナメントを勝ち上がる上では、消耗の激しい守備的戦術への限界も感じた。第2次政権ではハイプレスを軸にした主体的なスタイルを構築してきただけに、カナリア軍団との一戦は本番を見据えた絶好の試金石となる。

 これまで国際Aマッチ週間の2連戦は初戦をコアメンバー、2戦目を経験値が浅い選手で構成する傾向が強かった。今回のブラジル戦は2戦目。森保監督は選手起用について「迷っている」と語ったが、スター軍団に主力をぶつけない手はない。「ブラジルに勝てれば凄く自信になる。W杯で一番優勝している国に同じ目線で勝利を目指したい」。収穫と課題、世界での現在地を明確にするために、真っ向勝負を挑む。

 ▽22年のブラジル戦VTR 6月6日に国立競技場で対戦し、0―1で敗れた。当時FIFAランク1位の王国に粘り強い守備を見せて接戦を演じたが、後半32分にFWネイマールにPKで決勝点を許した。ボール支配率は日本が47.8%、ブラジルが52.2%とほぼ互角も、シュート本数は日本の4本に対しブラジルが18本と圧倒された。伊東、三笘らの突破が封じられ、攻撃はほぼ完璧に抑え込まれた。

 《三笘は招集見送り》MF三笘はコンディションの影響で招集が見送られた。先月27日のチェルシー戦で左足を引きずるような様子を見せ、今季最短の後半22分で途中交代していた。一方、左足首に痛みを抱えるMF久保はメンバー入り。森保監督は所属クラブと密に連絡を取り合った上で「メディカルの見解と合わせて最終決定した。その中で久保は招集できるという判断で、三笘は招集しないという判断になった」と説明した。また、DF谷口は左アキレス腱断裂の大ケガを乗り越え、1年ぶりの代表復帰を果たした。

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