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2025.09.11 10:15

UchuBizスタッフ

 ispace(東京都中央区)は9月10日、欧州法人であるispace EUROPEが欧州宇宙機関(ESA)と締結している月探査ミッション「MAGPIE(Mission for Advanced Geophysics and Polar Ice Exploration)」について、ミッション定義審査(Mission Definition Review、以下 MDR)が完了したことを発表した。2028年の打ち上げを目指している。

 MAGPIEは、ESAが推進する「Small Missions for Exploration」(小型探査ミッション)イニシアティブの支援を受けつつ、ispace EUROPEが主導する欧州初の月極域資源探査ミッション。最新鋭の探査機器と欧州各国のエンジニアリング技術を結集したコンソーシアムによって開発が進められている。

 今回のMDR完了により、2024年にispace EUROPEがESAと締結したプリフェーズA契約を完了したことになる。ispace EUROPEは、実績のあるローバープラットフォームに各種科学機器を統合し、月の極域環境下での電力供給、熱制御、機動性に対応できることを検証。全てのマイルストーンを達成できることを確認した。また、ESA専門家によるローバーおよびペイロードについての技術設計、運用概念、科学目的、開発スケジュール、予算に関する包括的評価の結果、次フェーズへの移行が承認された。

 本ミッションは現在、ペイロード設計の成熟化、供試機の製造、ローバーのインターフェース改良に焦点を当てた次フェーズへ移行中とのこと。また資金調達計画は、2025年11月開催のESA閣僚級会議において承認される見込み。

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