与野党対立で予算切れとなり、政府機関の一部が閉鎖された(写真:AP/アフロ)
(藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー)
米WTI原油先物価格(原油価格)は今週に入り1バレル=60ドルから65ドルの間で推移している。地政学リスクは残っているものの、供給過剰懸念が嫌気され、価格の下値は先週に比べ約2ドル低下している。
まず原油市場の需給を巡る動きを確認しておきたい。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの大産油国で構成するOPECプラスの有志8カ国が10月5日に開く会合に市場の関心が集まっている。
9月30日付ロイターは「OPECプラスは11月の増産ペースを10月の日量13万7000バレルから加速する可能性がある」と報じた。関係筋によれば、最大で日量50万バレル増産する案が出ているが、西側の制裁などで増産が困難となっているロシアが反対する可能性があり、最終決定には至っていないという。
ガイスOPEC事務局長はロイターの報道について「非常に不正確であり、ミスリーディングだ」と否定したが、「火のない所に煙は立たぬ」だろう。
ロシアの石油生産を巡る環境は厳しいままだ。
ウクライナ軍の石油関連施設に対するドローン(無人機)攻撃が続いているせいでロシア国内のガソリン不足が深刻になっており、多くの地域で1人当たりの購入量を20リットルに制限する措置がとられている。
ロシアの原油輸出に対する圧力も強まっている。
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