ロシア海軍艦艇がバルト海と北海を結ぶ海峡で衝突の恐れがある航路をたびたび航行しているほか、デンマーク海軍の艦艇に兵器を向けたり、航行システムを妨害したりする行為を繰り返していることがデンマーク防衛情報機関の報告で分かった。写真はデンマークのグレートベルト海峡を航行するロシア海軍艦艇。8月撮影(2025年 ロイター/Jacob Gronholt-Pedersen)
[コペンハーゲン 3日 ロイター] – ロシア海軍艦艇がバルト海と北海を結ぶ海峡で衝突の恐れがある航路をたびたび航行しているほか、デンマーク海軍の艦艇に兵器を向けたり、航行システムを妨害したりする行為を繰り返していることがデンマーク防衛情報機関の報告で分かった。現時点で直接的な軍事脅威はないものの、不測の事態につながる恐れがあると警告している。
デンマーク防衛情報局長によると、同海峡でデンマーク空軍のヘリコプターや海軍艦艇がロシア軍艦の追尾レーダーで照準されたり、実際に武器を向けられたりする事案が複数報告されているほか、ロシア軍艦が海峡通過中にデンマーク艦艇と衝突するような航路を取ったケースもあった。
このほか、ロシア軍艦がデンマーク領海内に1週間以上にわたり停泊しているとも報告。ソナーや妨害装置を搭載したロシア艦艇が海峡を通過した事例も確認されており、少なくとも1回、デンマーク国内で広範なGPS障害が引き起こされた可能性が極めて高いとの見方を示した。
米ホワイトハウスのレビット報道官はこの日の記者会見で、ロシア海軍によるデンマークに対する挑発行為は重大な事案との認識を示し、「政権として極めて重く受け止めており、絶えず監視している」と言及。ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)は北大西洋条約機構(NATO)加盟国と常に連携しており、トランプ大統領も多くの首脳と連絡を取り合っていると述べた。
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