イスラム組織ハマスは3日、イスラエル人の人質全員の解放で合意した。パレスチナ自治区ガザでの戦闘終結に向けた米国の計画に回答する声明の中で明らかにした。人質には生存者と遺体が含まれる。
同声明でハマスは「ガザ地区での戦闘停止を目指すアラブ諸国、イスラム諸国、国際社会、そしてトランプ米大統領の取り組みを歓迎する」と表明した。
この声明は前向きな一歩と受け止められる一方で、その約束が戦闘終結に十分かどうかには疑問が残る。また、トランプ氏が求める武装解除については触れられていない。
ハマスは、人質の解放は「戦闘停止とガザ地区からの全面撤退が保証される形」で行われる必要があると指摘。ガザ地区の統治を「独立した専門家で構成されるパレスチナ組織」に移管する用意があるとも表明した。
さらに、トランプ氏が示した20項目の計画の他の部分については「関連する国際法や決議に基づいて対処されなければならない」とした。
ホワイトハウスにコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。イスラエル首相府のコメントも得られていない。ハマスの声明を受け、イスラエルの通貨シェケルは急伸した。
トランプ氏の警告
ハマスの声明発表に先立ち、トランプ氏はハマスに対し、ガザ和平案は米東部時間5日午後6時までに合意しなくてはらないと迫っていた。
同氏は「ハマスとの合意は、首都ワシントン時間の5日午後6時までに成立しなければならない」とソーシャルメディアに投稿。「すべての国が合意している。この最後のチャンスの合意が成立しなければ、誰も見たことのないような地獄がハマスに降りかかるだろう」と警告した。
ガザ地区南部の様子(9月30日)
Source: AFP
トランプ氏は今週、ガザでの戦闘終結に向けた20項目の計画をイスラエルのネタニヤフ首相と共に発表。ハマスが合意を拒めば、イスラエルが同組織を壊滅させることに「全面的な支持」を与えるとしていた。
20項目では、ハマスによる全人質の解放やガザ統治への不参加などが盛り込まれた。イスラエルが約2000人の囚人を釈放し、ガザを占領・併合しないことも明記されている。
原題:Hamas Agrees to Release Hostages But Sets Conditions for Peace、Hamas Says Agrees to Release All Israeli Hostages: Statement (1)(抜粋)
(写真と内容を追加して更新します)
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