インド中銀総裁、経済の安定運営に自信 米関税や財政リスク警戒

インド準備銀行(中央銀行)のマルホトラ総裁(写真)は3日、インド経済基盤は引き続き堅調であり、外貨準備高やインフレ低下、小幅な経常赤字が米関税引き上げによるリスクへのバッファーになるとの見方を示した。ムンバイで5月撮影(2025年 ロイター/Francis Mascarenhas)

[ニューデリー 3日 ロイター] – インド準備銀行(中央銀行)のマルホトラ総裁は3日、インド経済基盤は引き続き堅調であり、外貨準備高やインフレ低下、小幅な経常赤字が米関税引き上げによるリスクへのバッファーになるとの見方を示した。

マルホトラ氏はインド財務省主催の経済会議で、課題はあるものの「インドは不安定な世界における安定のアンカー(いかり)となっている」と主張。世界経済に不透明感が続く中、柔軟性と迅速な政策対応が不可欠になると指摘し、「嵐の制御はできないが、船の舵取りはできる」と述べた。

マルホトラ氏は「ほぼ全ての国で財政面の負担が増している。世界経済が低成長局面に入った場合、状況が正常化する道筋は明らかでない」とも言及。株式市場は堅調を維持しているものの、財政リスクは十分に織り込まれておらず、「調整局面が近づいている可能性がある」と指摘した。

米国はインド製品に対する関税を8月27日から最大50%に引き上げている。

インド中銀は10月1日、主要政策金利を5.5%に据え置いた。米関税措置の影響を見極める方針を示しつつ、12月に利下げの余地があることも示唆した。中銀は今年に入って計100ベーシスポイント(bp)利下げした。今年度のインフレ率については、2.6%と予想し、従来の3.1%から引き下げた。

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