西側との対立、冷戦でなく「激しい」戦い ロシア外務省報道官

ウクライナ紛争の長期化や、ロシアによるとみられる領空侵犯が相次ぐ中、西側諸国とロシアの関係は、旧ソ連時代の1962年に起きたキューバ危機以来、最悪の状態にある。写真はモスクワで8月撮影(2025年 ロイター/Evgenia Novozhenina)

[モスクワ 2日 ロイター] – ウクライナ紛争の長期化や、ロシアによるとみられる領空侵犯が相次ぐ中、西側諸国とロシアの関係は、旧ソ連時代の1962年に起きたキューバ危機以来、最悪の状態にある。ロシア外務省のザハロワ報道官は2日、こうした状況を踏まえ、西側とは冷戦ではなく、「激しい」戦いにあるとの見解を示した。欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)が軍事支出を正当化するため、ロシアによる妨害工作疑惑に関して虚偽の主張をしているとして、非難した。

欧州で「鉄のカーテン」のような「ドローンの壁」が構築されようとしており、新たな冷戦ではないかとの記者からの質問に対し、ザハロワ氏は「冷戦との比較には同意しない」とした上で、「すでに別の形の戦いに陥っている。すでに火が燃えている」と応じた。

米ロ首脳会談が8月に米アラスカ州で実施されたものの、ロシア軍はウクライナへの侵攻を継続し、ロシアのドローン(無人機)がNATO加盟国の領空を侵犯したとされる事件が発生。トランプ米政権が直接的な関与に言及するなど、和平への気運は遠のいている。

NATO領空侵入や妨害工作を巡る欧州の非難に関してザハロワ氏は、根拠がなく、EUとNATOはロシアを「挑発」することで、軍事予算を正当化しようとしていると主張した。

ロシアとウクライナの戦闘による死者数は第2次世界大戦以降の欧州で最悪となっている。西欧諸国の首脳らは、ウクライナ侵攻を帝国主義的な領土侵略とみなす一方、ロシアのプーチン大統領は、ソ連崩壊後にNATOが拡大しているほか、ウクライナやジョージアなどへの西側の影響力が拡大していると非難している。

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