10月2日、援助物資をパレスチナ自治区ガザに届けようとする国際船団「グローバル・スムード船団」の主催者は、イスラエル軍により14隻が阻止させられたものの、23隻が引き続きガザに向けて航行していると明らかにした。写真は拿捕(だほ)された船に乗っていたグレタ・トゥンベリさん。動画から抜粋、1日公開(2025年 ロイター/Israel Foreign Ministry)
[2日 ロイター] – パレスチナ自治区ガザに援助物資を届ける国際船団「グローバル・スムード船団」の主催者は2日、イスラエル軍が、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(22)らが乗る船を含め39隻を拿捕(だほ)し、現在1隻のみがガザに向けて航行していると述べた。 もっと見る
イスラエル外務省が公開したビデオには、トゥンベリさんが複数の兵士に囲まれてデッキに座っている様子が映っている。同省はXで「乗客は全員無事で健康状態も良好だ。彼らは安全にイスラエルへ向かい、そこから欧州へ強制送還される予定だ」と述べた。
ただ「この挑発行為を行った最後の一隻がまだ残っている。もし接近してきた場合、その戦闘地域への侵入と封鎖突破の試みは同様に阻止されるだろう」とした。
拿捕を受けてトゥンベリさんが事前に録画していた動画が公開された。その動画でトゥンベリさんは「このビデオが公開されたということは、私はイスラエル軍に拉致され、意思に反して連れ去られたということだ。私たちの人道支援活動は非暴力であり、国際法を順守したものだった」と述べた。
グローバル・スムード船団の主催者によると、推定443人のボランティアが拘束され、その一部は大型貨物船に移送された。
同船団は民間船40隻余りで構成し、8月下旬に出港した。イスラエルが再三、引き返すよう警告する中、イタリア、スペイン、トルコが不測の事態を想定して小型船やドローンを派遣し航行を見守った。
自国民が拘束されたトルコ、コロンビア、マレーシアなどはイスラエルを非難。トルコ・イスタンブールの検察当局は船舶上の自由の剥奪、輸送車両の押収、器物損壊などで捜査を開始した。コロンビアはイスラエルの外交官全員の国外追放を命じ、イスラエルとの自由貿易協定を停止した。ギリシャ、アイルランド、トルコでは抗議が呼びかけられた。イタリアの労働組合は3日にゼネストを実施しようとしている。
国連人権高等弁務官事務所も2日、ガザ地区に対する違法な封鎖が拡大したとして、イスラエルを非難する声明を発表。「イスラエルは、利用可能な手段を最大限に利用して住民に食糧と医薬品の供給を確保するか、迅速かつ支障なく実施される公平な人道支援計画に同意し、促進しなければならない」と述べた。また、イスラエルに対し、拘束された人々の権利、特に拘束の合法性に異議を唱える権利を尊重するよう求めた。
イスラム組織ハマスは活動家への支持を表明し、イスラエルの船団拿捕は「犯罪行為」と非難した。
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