デイトナ 「観光パートナー協定」相次いで  各地の観光協会などと 静岡・袋井市/岩手・大船渡市/愛知・新城市/長野・売木村

株式会社デイトナ(静岡県周智郡森町)は、全国各地の市町村と相次いで「観光パートナー協定」を締結している。各地で観光などでの集客の課題に対し、デイトナがバイクライダーの楽しみの一環として、各地域の観光協会などと組んで、ライダーを誘客し地域の活性化に取り組むもの。

 

同社は2023年よりこれまで8つの地域の市町村、観光団体と「観光パートナー協定」を結んできた。さらに同協定では、7月16日に静岡県の袋井市観光協会、同月31日には岩手県大船渡市、8月27日が愛知県の新城市観光協会、9月24日には長野県の売木村(うるぎむら)とそれぞれ同協定で締結した。

 

協定では各市町村などと相互で協力し、プロモーション活動を実施する。主に地域の活性化となる活動、活動を通じて、住民や参加したライダーらとの交流が生まれる活動、地域の自然、歴史や文化を通じて親子が健康で楽しめる時間を過ごせる活動などとしている。

 

具体的な展開として、市町村の魅力を生かしたバイク関連イベントの企画として同社が展開するイベント「朝活cafe」の開催や、各市町村の近隣自治体とも連携し、地域を中心に広域的なイベントの実施も目指す。各地域の観光資源を周遊するツーリングルートとして開発。環境協会などのSNS強化とデイトナの公式SNSとも連動することで、効果的な情報発信などを行っていく。

 

袋井市観光協会との協定経緯は、袋井市が位置する静岡県の西部地域はオートバイ産業発祥の地として二輪車産業が極めて盛んで、主要メーカーをはじめとする関連の中小企業が県内西部に集積し、日頃よりオートバイに馴染みがある地域。

 

一方、袋井市は東海道五十三次の中間地点である袋井宿や遠州三山(法多山尊永寺、油山寺、可睡斎)といった歴史的・文化的資源、さらには雄大な遠州灘を望む自然豊かな景観など、多彩な観光資源が多い。しかし、こうした魅力を十分に発信しきれていない現状や、点在する各所を回遊していただく移動手段が少ないなど、地理的条件による集客面での課題を抱えていた。

 

袋井市環境協会の村田繁樹・会長(左)、デイトナの織田哲司・社長(右)

 

大船渡市では、復興拠点整備事業のもと、大船渡駅周辺を「にぎわい」と「交流」の再生拠点として官民連携により整備が進み、ライダー同士が交流できる無料休憩施設「バイクの駅 大船渡」を2023年に開設し、2024年度には2300人を超えるライダーが来訪。2025年度も前年同期比26%増の来訪者を記録するなど、継続的な集客効果を生んでいるとしている。

 

2025年4月より開始した「おおふなとライダー割」や各種イベントを通じ、バイクをきっかけとした観光と地域交流の促進に注力。こうした施策により、大船渡市は東北地方において先進的なバイクツーリズムの取り組みを進める自治体として注目を集めており、さらなるサービス向上と認知度の加速が必要と考えているとしている。

 

大船渡市の渕上清・市長(右)

 

また、新城市観光協会との協定では、愛知県北東部である奥三河の玄関口に位置する新城市は、新東名高速道路の新城ICから奥三河エリアの奥へと延びる国道257号や、長野へ通じる国道151号、豊田市、浜松市双方へとつながる国道301号などが通る交通の要衝。名古屋・豊田地域からのほか、隣接する静岡県西部地域からのアクセスも良く、比較的交通量も少なく走りやすい道が続くことから、休日ともなれば多くのバイクが行きかう、地元のライダーの馴染みのツーリングルートとなっている。

 

愛知県内で2番目に広い面積の84%を占める森林は四季折々に異なる表情を見せ、桜の名所である桜淵公園、霊鳥「仏法僧」が生息する鳳来寺山などの美しい自然景観や、戦国時代の山城跡や長篠設楽原の史跡など、文化的・歴史的に貴重な史跡も数多く、さらには、地域ごとに特色あるグルメも楽しめるなど、魅力ある地域。しかし、名古屋や静岡県西部地域からの距離が近いため、ライダーにとってはツーリング先の目的地よりも集合場所や通過点として見られてきた。

 

新城市観光協会の瀧川紀幸・会長(右)

 

長野県売木村は同県最南部、奥三河の愛知県豊根村と隣接し、長野県で2番目に人口が少なく、村の面積も比較的に小さいが、標高1200mの山々から湧き出る清らかな水で育まれる米や寒暖差の大きい準高冷地(標高820~950m)で栽培される野菜など食材の魅力にあふれているという。個性豊かなキャンプ場が数多く点在するなど魅力あふれる地域としている。

 

交通の面では静岡県西部から南信州へ抜ける国道151号、名古屋方面からの国道153号に挟まれた地域に位置し、村内を走る国道418号や県道46号などは交通量が少なく走りやすいことから、ライダーに人気のツーリングルートとして親しまれている。

 

しかし、売木村は静岡県西部や名古屋地域から2時間圏内で短距離ツーリングには適しているが、売木村の素晴らしい魅力が伝わり切れていない状況がであったなどとしている。

 

デイトナでは、各地域の観光協会などと観光パートナー協定を結ぶことで、各地域にライダーを誘客していく。

 

売木村の清水秀樹・村長(左)

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