10月1日、ドイツのメルツ首相(写真)は、人工知能(AI)の活用とデジタル化による事業の迅速化、容易化を目的とした措置を承認した。写真は同日、コペンハーゲンで撮影。提供写真(2025年 ロイター/Ritzau Scanpix/Thomas Traasdahl via REUTERS)
[ベルリン 1日 ロイター] – ドイツのメルツ首相は1日、人工知能(AI)の活用とデジタル化による事業の迅速化、容易化を目的とした措置を承認した。併せて官僚機構を緩和し、欧州最大の経済大国であるドイツの競争力を高めると訴えた。
メルツ政権は数十年間にわたる財政規律から転換し、経済成長を加速させるためにインフラおよび防衛関連に5000億ユーロ規模を投じることを打ち出した。ドイツは主要7カ国(G7)で唯一、2024年に2年連続でマイナス成長となった。
ベルリン近郊で記者会見したメルツ氏は「ドイツ経済が現在直面している問題をもちろん認識しているが、私たちは首位の座に返り咲くことを目指している」とし、「私たちは今、非常に具体的な法案をドイツ連邦議会に提出する」と訴えた。
1日に発表された措置では、国民の日常生活を改善する可能性がある23の主要プロジェクトを提示。この中にはオンラインでの車両登録サービス、24時間以内の会社設立を可能にするプラットフォーム、裁判所やビザ(査証)の実証プロセスを支援するAIベースのツールなどが含まれている。
また、医療専門職の外国資格の認定手続きを迅速化。デジタル庁を設立し、移住する高度技能労働者の労働市場への統合を容易にする。
今後数年間に官僚機構による要件を25%削減した場合、160億ユーロ(187億7000万ドル)のコスト削減が可能となるとの試算も示した。
IFO経済研究所は昨年11月、ドイツが過度な官僚主義によって年間1500億ユーロ(1759億4000万ドル)弱の損失を被っているとの調査をまとめていた。
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