ロシアは新たな民営化メカニズムに基づき、外国資本の資産を国有化し、迅速に売却する可能性がある。政府に近い関係者1人が明らかにした。欧州が凍結しているロシア資産の活用に踏み切った場合の報復措置だという。

 プーチン大統領は1日、特別な手続きの下で国有資産の迅速な売却を認める措置に署名した。

  情報が公開されていないとして匿名を条件に述べた同関係者によれば、ロシア企業だけでなく外資企業を含む各企業の売却を加速させることが今回の措置の狙いだ。欧州連合(EU)がロシア資産の没収・活用を始めれば、ロシアは相応の措置をとる可能性があると、同関係者は述べた。

  現在もウニクレディトやライファイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)、ペプシコなど、銀行から消費財に至るまで多くの欧米企業がロシアで事業を継続している。

  EU首脳らは月末のサミットに先立ちデンマークで会合を開き、凍結中のロシア中銀資産を原資とする1400億ユーロ(約24兆1500億円)の対ウクライナ融資計画の実現を目指している。

  米国がウクライナへの直接的な支援から距離を置くなか、支援の負担は欧州に移りつつあり、凍結資産の活用という長年の構想が現実味を帯びてきている。

  ロシア大統領府のペスコフ報道官はコメントの要請に対して即座には応じなかったが、1日にEUの計画を「ロシア資産の不法な差し押さえであり、窃盗だ」と非難していた。

原題:Russia Drafts Plan to Seize Assets If EU Acts on Funds (1)

(抜粋)

— 取材協力 Anthony Halpin

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