国スポ少年の部団体戦で優勝した鳥取県(左から)冨山大翔、川崎永遠、サンチルガリデ、井上泰我、小林梅太
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 国民スポーツ大会(旧国民体育大会)相撲競技が30日、滋賀県長浜市の県民共済ドーム長浜で行われた。競技2日目のこの日は、少年(高校生)の部団体決勝トーナメントと個人戦、成年の部団体予選が行われた。

 少年(高校生)の部団体戦は、鳥取県が2年連続8度目の優勝を果たした。鳥取県は、今年の全国高校総体を制した鳥取城北高メンバー5人による構成。先鋒は片桐恭晟(1年)に代わって冨山大翔(2年)が入り、二陣・川崎永遠(2年)、中堅・サンチルガリデ(2年)、副将・井上泰我(3年)、大将・小林梅太(3年)の4人は高校総体と同じオーダーで臨んだ。29日に行われた予選3回戦では、高校総体準優勝の金沢市立工高メンバーを中心とした石川県に2―3で敗戦。2勝12点の11位で予選を通過した。この日行われた決勝トーナメントの準々決勝では、鹿児島に3―2で辛勝。二陣・川崎と中堅・サンチルガリデが敗れて1―2の後がない状況から副将・井上、大将・小林の3年生2人が勝って逆転した。

 決勝は、埼玉栄高メンバー5人で構成される埼玉県と対戦。2年生対決の先鋒戦は、冨山が田宮愛喜(2年)を上手出し投げで破った。二陣・川崎は垣添玄空(3年)にうっちゃりで敗れた。中堅戦は、身長1メートル95のサンチルガリデと1メートル97の末川敦喜(1年)という超高校級の長身対決。左四つがっぷりの引き付け合いになり、サンチルガリデの左足が先に俵を踏み越した。後がない状況で副将戦に登場したのは井上主将。左を差すと、埼玉・竹澤光(2年)の右小手投げに乗じて前に出て寄り切った。2―2で迎えた大将戦。小林は高校総体個人戦準優勝の永松慧悟(2年)に中に入られて一気に攻め込まれたが、左上手から振って逆転の左小手投げを決めた。右足のつま先が踏み越していたのではないかと異議申し立てがつくも主審の判定通り。鳥取県が2連覇を達成した。

 鳥取城北高は今季、3人制の弘前大会、選抜大会、金沢大会を制して5人制の高校総体でも優勝。木崎信志(現幕内・美ノ海)やイチンノロブ(のちの関脇・逸ノ城)らを擁した2011年以来の年間完全制覇も見えていたが、8月15日の十和田大会と9月7日の宇佐大会ではともに金沢市立工に敗れて3位に終わった。「次はやってやろうぜと、良い意味で今日を迎えられた」と石浦外喜義総監督。敗戦の悔しさが糧になった。そして「副将(井上)と大将(小林)の3年生2人が全勝で試合を運んでくれた。選手はよくやってくれました」と称えた。

 ▽団体戦 決勝トーナメント1回戦
埼玉 4―1 岐阜
石川 4―1 兵庫
神奈川 3―2 三重
富山 3―2 東京
熊本 4―1 千葉
和歌山 4―1 大分
鹿児島 3―2 長崎
鳥取 4―1 秋田

 ▽準々決勝
埼玉 3―2 石川
神奈川 3―2 富山
熊本 3―2 和歌山
鳥取 3―2 鹿児島

 ▽準決勝
埼玉 5―0 神奈川
鳥取 4―1 熊本

 ▽3位決定戦
熊本 5―0 神奈川

 ▽決勝
鳥取 3―2 埼玉
○冨山大翔 上手出し投げ 田宮愛喜 
 川崎永遠 うっちゃり 垣添玄空○
 サンチルガリデ 寄り切り 末川敦喜○
○井上泰我 寄り切り 竹澤光 
○小林梅太 小手投げ 永松慧悟 

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