10月1日、ウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所を管理しているロシア側の管理者は、外部電源が喪失し、非常用ディーゼル発電機によって原子炉を冷却している状態が1週間以上続いていると明らかにした。写真はザポリージャ原子力発電所。2023年6月撮影(2025年 ロイター/Alina Smutko)
[30日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、ロシアが占拠するザポリージャ原子力発電所の状況が危機的になっていると述べた。ロシア側の砲撃により、原子炉の冷却とメルトダウン防止に必要な外部送電線の復旧が妨げられているという。
ゼレンスキー氏は夜のビデオ演説で、外部送電線が途絶してから7日目となり、緊急電力を供給しているディーゼル発電機のうち1基が作動しなくなったと述べた。
「今日で7日目だ。ザポリージャ原発でこれほど危機的な事態になったことはこれまでにない。状況は危機的だ。ロシアの砲撃により、発電所は電力網から切り離された」と語った。
ザポリージャ原発は現在、発電を行っていないが、原子炉内の燃料を冷却し、メルトダウンを防ぐために電力が必要。電力網からの切断は紛争開始以来10回目となった。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、外部送電線の復旧に向けて両当事者と協力していると表明。非常用ディーゼル発電機が稼働を続けている限り、施設への緊急電力は供給されており、差し迫った危険はないとの見解を示した。
ただ「原子力の安全という観点から見ると、明らかに持続可能な状況ではない」とし「核事故はどちらの当事者にとっても利益にはならない」と述べた。
グロッシ氏によると、同原発は8基のディーゼル発電機を稼働させている。9基が待機モード、3基がメンテナンス中という。
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