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Reuters
掲載日
2025年9月30日
インドがスイスやノルウェーを含む欧州4カ国と締結した貿易協定は水曜日に発効し、繊維、皮革、食品の輸出を後押しするとともに、投資の呼び込みにもつながると政府は声明で明らかにした。
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約16年に及ぶ交渉を経て昨年3月に署名された貿易・経済連携協定(TEPA)の下で、スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインから成る欧州自由貿易連合(EFTA)は、インド向け輸入のタリフラインの92.2%で関税を引き下げる。一方、インドはEFTAの輸出の95.3%をカバーするタリフラインの82.7%で関税譲許を行う。
人口1,300万人、合計GDPが1兆ドルを超えるEFTA諸国は、商品貿易で世界第9位、商業サービスでは第5位に位置する。
今回の合意は、ナレンドラ・モディ首相が欧州連合(EU)との貿易協定を進める一方で、ロシア産原油の購入をめぐりトランプ米大統領が8月27日からインド製品への関税を最大50%まで倍増させたことを受け、米国との合意も模索するなかで成立した。
商務省は、EFTAとの協定はモノやサービスにとどまらず、今後15年間でインドに1000億ドルの直接投資を呼び込み、100万人の雇用を創出することを目指すとしている。
インドは、酪農や大豆、石炭、敏感な農産品などの分野を保護している。
政府の試算によれば、インドはEFTAにとって欧州連合、米国、英国、中国に次ぐ第5位の貿易相手国で、2023年の双方向貿易額は250億ドルに達した。
この協定により、チョコレートから時計、機械に至るまでの輸出品の関税が引き下げられるため、スイスからの投資も促進される見込みだ。
約4兆ドルの経済規模、14億人の市場、年約7%の成長率を誇るインドは、米国の関税圧力が続くなか、中国の代替先を探す欧州企業を惹きつけている。
声明はまた、金輸入の実効税率に変更はなく、医薬品、医療機器、主要農産品などの敏感分野に対する保護も維持されるため、インド企業がこの協定の恩恵を受けるとの見方も示した、と付け加えた。
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