9月の米消費者信頼感は低下し、5カ月ぶりの水準に落ち込んだ。労働市場の減速や景気全般への懸念が背景にある。
キーポイント消費者信頼感指数は3.6ポイント低下して94.2ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は96前月は97.8(速報値97.4)に上方修正民間調査機関のコンファレンスボードが発表
現況指数は7ポイント下がり、約1年ぶりの低水準。今後6カ月の見通しを示す期待指数も低下した。
信頼感指数は過去数カ月間、方向感のない推移が続いている。雇用の減速や根強いインフレに加え、株価の最高値更新といった相反する要因が交錯し、消費者が対応を迫られているためだ。
年初と比べて消費者心理は抑制されているものの、消費支出は底堅さを示し、景気を前進させている。今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では利下げが決定。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は記者会見で労働市場について「解雇も採用も少ない環境だ」との見方を示した。
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9月のコンファレンスボード調査では、「仕事は豊富にある」と答えた人の比率が2021年2月以来の低水準となった。「職探しが困難」と答えた人の割合は前月から横ばいで、約4年ぶりの高水準が続いた。労働市場の動向を示す重要指標としてエコノミストが注目している両者の差は、2021年序盤以来の水準に縮小した。
コンファレンスボードのシニアエコノミスト、ステファニー・ギシャール氏は「消費者の景況感はここ数カ月と比べて大幅に弱含んだ。また、現在の雇用機会に対する見方は9カ月連続で下がり、数年来の低水準となった」と発表文に記した。
この日発表された別の統計では、8月求人件数は前月からほぼ変わらずとなる一方、自発的離職者は昨年11月以来の低水準となった。
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パウエル議長はFOMC会合後の会見で、関税引き上げが持続的なインフレにつながる可能性に引き続き注意を払う必要があるとも指摘していた。ギシャール氏は「関税に関する言及は今月減少したが、依然として高水準にあり、物価上昇への懸念と結びついたままだ」と述べた。
統計の詳細は表をご覧下さい。
原題:US Consumer Confidence Falls to Five-Month Low on Job Concerns(抜粋)
— 取材協力 Chris Middleton and Nazmul Ahasan
(統計の詳細をさらに追加します)
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