33年前、福岡県飯塚市で小学生2人が殺害されたいわゆる「飯塚事件」で、死刑が執行された元死刑囚の家族が裁判のやり直しを求めている2度目の申し立てについて、弁護団は、福岡高等裁判所が再審を認めるかどうかの決定を来年3月末までに出す見通しを示したことを明らかにしました。

1992年、飯塚市で小学1年生の女の子2人が登校途中に連れ去られ、遺体で見つかったいわゆる「飯塚事件」では、殺人などの罪に問われた久間三千年元死刑囚の死刑が2006年に確定し、その2年後に執行されました。

元死刑囚は一貫して無罪を主張し、家族が行った2回目の再審請求で、福岡地方裁判所は去年、再審を認めない決定を出し、弁護団が即時抗告しています。

これまでの協議で、弁護団は証拠のリストの開示を求めましたが、新たな証拠として提出していた関係者の証言に関連する捜査資料などは見当たらなかったとして、裁判所は検察に開示を勧告しない意向を示しています。

30日、福岡高等裁判所で非公開の協議が行われたあと、弁護団が会見を開き、裁判所が再審を認めるかどうかの決定を来年3月末までに出す見通しを示したことを明らかにしました。

会見で弁護団の徳田靖之弁護士は「裁判所には再審を切り開く方向で判断してほしいと思います」と話していました。

福岡高等検察庁は「地裁決定に誤りはなく、高裁の審理においても、その結論が揺らぐような要素はなかったと考えています」としています。

WACOCA: People, Life, Style.