(CNN) 南米アルゼンチンで、若い女性3人が拷問されて殺害され、その様子がSNSでライブ配信される事件が起きた。事件は国民に衝撃を与え、全土で抗議デモが巻き起こっている。

被害者の女性は20歳の2人と15歳の1人。首都ブエノスアイレス近郊に埋められていた遺体が24日に発見された。

調べによると、3人はその5日前、麻薬組織との争いに関連して殺害された。ブエノスアイレス州治安当局によると、拷問と殺害の様子はSNSの非公開グループ経由で約45人に向けてライブ配信されていた。

同州知事は29日、この事件に関連して6人を拘束したと発表し、女性であることを理由とする「フェミサイド」殺人と位置付けた。捜査当局はさらに容疑者6人の行方を追っている。

当局によると、被害者の3人はブエノスアイレス南部のフロレンシオ・バレラにある民家に誘い出され、パーティーに参加するつもりで出かけたところ、麻薬組織のメンバーが待ち構えていた。殺害の様子を撮影した映像には、「我々から麻薬を盗んだ奴はこうなるんだよ」という音声が入っていた。

ブエノスアイレスのデモに参加した人たち/Adan Gonzalez/EPA/Shutterstock
ブエノスアイレスのデモに参加した人たち/Adan Gonzalez/EPA/Shutterstock

捜査当局は、被害者が過去にこの組織と何らか形で接触していて、今回の殺人は「復讐(ふくしゅう)」だった可能性もあるとみて調べている。

女性団体は、3人の殺害によってアルゼンチンが抱える性別に根差す暴力の問題が浮き彫りになったと指摘。「私たちの殺害を止めろ」「一人も減らすな」という横断幕を掲げて抗議デモを展開している。

市民団体の集計によると、アルゼンチンでは2025年1月~8月の間に164人の女性が殺害された。

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