県内の企業にコスト上昇分をどの程度の割合で販売価格に転嫁できたかを聞いたところ、平均で37%あまりと、調査を開始して以降、最も低くなったことが民間の信用調査会社の調査でわかりました。
民間の信用調査会社「帝国データバンク」はことし7月、県内に本社を置く企業194社を対象に、価格転嫁に関してインターネットでアンケート調査を行い、99社から回答を得ました。
それによりますと、原材料価格の高騰などによるコストの上昇分に対して、どの程度、販売価格に転嫁したかを示す「価格転嫁率」は平均で37.6%と、ことし2月の前回調査よりも0.8ポイント低下し、2022年の調査開始以降で最も低くなりました。
これは、コストが100円上昇した場合に37.6円しか販売価格に反映できていないことを示しています。
また、コストの項目別の価格転嫁率は原材料費が45%、物流費が30.6%、人件費が29.1%、それにエネルギーコストが25.2%となっています。
アンケートでは、「原材料費の高騰分は目に見えるので転嫁しやすいが、人件費や運送経費は見えにくく、消費者の理解が得られない」などの声が寄せられたということです。
帝国データバンクの担当者は「消費者の節約志向や値上げへの抵抗感が強まり、企業が負担を吸収している。企業が適正な価格転嫁を行える環境の整備が求められる」と話しています。

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