英国立統計局(ONS)は10日、経済統計全般の不備を修正する作業に伴い発表を中止している生産者物価指数(PPI)について、過去発表分の改定値を発表した。写真は2020年10月、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Matthew Childs)
[ロンドン 15日 ロイター] – 英国立統計局(ONS)が15日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.7%増加し、ロイターがまとめたエコノミスト予想の0.6%増を上回った。
昨年第4・四半期の0.1%増から大幅に加速した。ただ、企業増税や米関税の影響で先行きは厳しいとの指摘が出ている。
3月のGDPは前月比0.2%増加し、予想の横ばいを上回った。
統計発表を受けて、ポンドは対米ドルで小幅上昇した。
リーブス財務相は「きょうの成長率の数字は英経済の強さと潜在力を示している」と評価し、第1・四半期については米国、カナダ、フランス、イタリア、ドイツよりも高い成長を記録したと述べた。
ICAEWの経済ディレクター、スレン・ティル氏は、第1・四半期の急成長は一時的なものになる可能性が高いと指摘。一部の企業が米国の関税発動を控えた駆け込み需要に対応したと述べた。
「今回の堅調な四半期統計は、恐らく今年のピークだろう。今後は増税や関税の引き上げ、世界的な不確実性が影響し、経済活動が大幅に鈍化する可能性が高い」との見方を示した。
ONSによると、第1・四半期の伸びは主にサービス部門がけん引したが、製造業も一時の低迷期を経て大幅に増加した。企業投資は前期比5.9%増と、2年ぶりの大幅な増加を記録した。
スターマー政権は歳出拡大などで低迷する英国経済を活性化させようとしているが、イングランド銀行(中央銀行)は先週、第1・四半期の成長は一時的で、今年の成長率は1%で、2027年は1.5%とわずかに加速するとの見通しを示した。
トランプ米大統領の関税措置が世界経済を減速させるとみられるほか、英企業は保険料の負担率引き上げによる実質増税や最低賃金引き上げを受け、雇用と投資計画を遅らせている。
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