チベット仏教の総本山「大昭寺」(2025年8月12日筆者撮影)
チベットを旅した。北京から西寧へ。そこから20時間をかけて西蔵(チベット)高原鉄道で到着した羅沙(ラサ)の標高は3600m以上。ほぼ富士山の高さだ。
高原の乾いた風の中、摩尼(マニ)車がカラカラと回る「秘境チベット」をイメージしていたが、中心部の道路は片側5車線。開発の波に飲まれて久しい巨大な地方都市がそこにはある。
「人民解放軍チベットを“侵攻”したのではなく“和平解放”した」とアピール
ラサの象徴であるポタラ宮(標高3700m超)は、チベット仏教と政治のリーダーである歴代ダライ・ラマの拠点。14世が1959年にインドに亡命したあとは、本来の主を失っている。昼は多くの信者と国内外からの観光客が訪れる。
チベットの歴史が刻まれたポタラ宮(2025年8月12日筆者撮影)
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中国政府は今年、「西蔵自治区成立60周年」を祝い、チベット自治区のあらゆる場所に、その掲示を行っている。ポタラ宮も祝賀イベントの中心にすえられ、夜はライトアップされていた。聞けば、広場を訪れている観光客の9割は漢民族だろうという。ポタラ宮を見上げる広場にはステージが設けられ、祝賀大会出席のために習近平国家主席が来ると噂されていた。
観光客で賑わうポタラ宮前広場(2025年8月13日筆者撮影)。8月21日には習国家主席が出席して祝賀大会が開催された
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広場の一角に立つ巨大壁画には、1949年の建国以来の国家主席の顔が描かれ、中国人民解放軍が“侵攻”ではなく、“和平解放”したという歴史をアピールしていた。
観光客が巨大壁画を仰いで撮っていた(2025年8月13日筆者撮影)
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