公開日時 2025年09月30日 05:00

千葉2行 27年統合へ 地銀2位グループ規模に 利上げ対応、人口減備え
記者会見を終え握手する千葉銀行の米本努頭取(左)と千葉興業銀行の梅田仁司頭取=29日午後、千葉市

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琉球新報朝刊

 全国有数の地方銀行である千葉銀行と、千葉県を地盤とする千葉興業銀行は29日、経営統合に向けた基本合意を締結した。2027年4月をめどに持ち株会社を設置し、2行が傘下に入る。単純合算した連結総資産額は25兆円規模に上り、国内2位の地銀グループに躍り出る見込み。業界では今後も統合や資本提携といった合従連衡が拡大しそうだ。
 日銀の利上げによる「金利がある世界」の復活がもたらす経営環境の変化に対応する。県内で競争が激化する預金獲得や貸し出しを強化し、本格的な人口減少社会にも備える。両行で重複する機能を一本化してコストを削減し、デジタル化にも対応する。
 地方銀行を巡っては、新潟県地盤の第四北越フィナンシャルグループと群馬銀行も経営統合を決めたほか、長野県が地盤の八十二銀行と静岡銀行、山梨中央銀行が包括業務提携を結ぶなど連携の機運が高まりつつある。
 千葉銀の米本努頭取は千葉市内で記者会見し、経営統合は「あらゆるステークホルダー(利害関係者)にとってベストな選択肢だ」とした上で「店舗の統廃合や人員削減は考えていない」と述べた。同席した千葉興銀の梅田仁司頭取は「お客さまに対して変わらず取引を継続する」と述べ、現時点で合併は予定していないと強調した。
 今回の経営統合は、千葉興銀の株式を保有していた地銀の投資を手がけるファンド、ありあけキャピタル(東京)が千葉銀に株式を売却したのが一因とされる。
 千葉銀の連結総資産は25年3月末時点で21兆6312億円、千葉興銀は3兆2468億円だった。連結総資産は、業界首位のふくおかフィナンシャルグループに次ぐ規模となる見通しだ。

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