グーグルのデジタル市場法違反問題、欧州委が数カ月中に最終判断か=関係者

 欧州連合(EU)欧州委員会は、米グーグルに対して巨大IT規制「デジタル市場法(DMA)」に違反していると今年3月に暫定的な見解を通知した件で、数カ月中に最終判断を下す公算が大きい。写真は、同社ロゴを含めたイメージ。5月13日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ブリュッセル 25日 ロイター] – 欧州連合(EU)欧州委員会は、米グーグル(GOOGL.O), opens new tabに対して巨大IT規制「デジタル市場法(DMA)」に違反していると今年3月に暫定的な見解を通知した件で、数カ月中に最終判断を下す公算が大きい。グーグルが正式に違反認定されれば、同社としてDMAの下で初めて制裁金処分を課されそうだ。事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。

DMAは巨大ITによる市場支配の抑制と公正な競争確保のため2023年に施行された法律。欧州委は3月、グーグルがショッピングや航空券・ホテル予約などの自社関連サービスを検索順位で優遇し、競合サービスが不利な扱いを受けている点がDMA違反だとの認識を示していた。

欧州委が正式に違反認定した場合、グーグルに世界全体の売上高の最大10%相当を制裁金として支払うよう命じることが可能だ。

グーグルはこれまで懸念払しょくに向けて数回、改善案を提示しているが、競合サービス事業者の不満を和らげることができていない。

3人の関係者は、新たな改善案の内容次第でグーグルはまだ制裁金処分を回避できる余地があると説明した。

関係者の話では、トランプ米政権によるEUの巨大IT規制への批判や米欧間の貿易摩擦を踏まえ、欧州委としては最終判断を急がない構えだ。

ただ欧州委は、米政府の圧力で米巨大ITへの監視姿勢を後退させるつもりはないと表明している。

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Foo Yun Chee

An agenda-setting and market-moving journalist, Foo Yun Chee is a 21-year veteran at Reuters. Her stories on high profile mergers have pushed up the European telecoms index, lifted companies’ shares and helped investors decide on their next move. Her knowledge and experience of European antitrust laws and developments helped her break stories on Microsoft, Google, Amazon, Meta and Apple, numerous market-moving mergers and antitrust investigations. She has previously reported on Greek politics and companies, when Greece’s entry into the eurozone meant it punched above its weight on the international stage, as well as on Dutch corporate giants and the quirks of Dutch society and culture that never fail to charm readers.

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