韓国と日本がトランプ米政権とそれぞれ合意した対米投資計画に、両国から懸念の声が上がっている。計画は合わせて9000億ドル(約135兆円)規模。韓国は米国が示す条件が非現事実的だとして反発しているほか、自民党総裁選の有力候補からは合意見直しを示唆する発言も飛び出した。
韓国の魏聖洛国家安保室長は27日、テレビ局チャンネルAのインタビューで対米投資枠である「3500億ドルを現金で支払うことはできない」とし、「客観的かつ現実的に、わが国が対応できる水準ではない」と述べた。
米韓は7月、米国による関税率を25%から15%に引き下げる合意の一環として3500億ドルの対米投資枠で一致した。しかし、投資の実施方法などを巡っては両国の立場に隔たりがある状況だ。日本も同様に5500億ドルの対米投資で合意しているが、詳細は不明な部分が残る。
ラトニック商務長官は韓国側に融資ではなく、現金投資を望むと伝えたと報じられている。トランプ大統領は最近、韓国と日本からの投資を「前払い」と表現した。
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韓国がトランプ政権と合意した投資規模は外貨準備高の80%超に上る。同国の金民錫首相は、先週ブルームバーグの単独インタビューに応じ、米国との通貨スワップ協定がなければ経済が深刻な打撃を受けると指摘した。
こうした中、魏氏は代替案を検討中で、来月から韓国の慶州で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で進展があることを期待すると語っている。

金民錫(キム・ミンソク)韓国首相が対米投資計画を巡る問題などについて語った(英語の翻訳音声・日本語字幕)
Source: Bloomberg
具潤哲企画財政相は27日、米国と為替に関する協議を終え、近く詳細を発表すると記者団に語った。大統領府関係者は、米財務省が主要貿易相手国の為替政策を分析した報告書に関連するものだと説明している。
日本では自民党総裁選候補の高市早苗前経済安全保障担当相が28日、日米関税合意に盛り込まれた5500億ドルの対米投資で国益を損なう⾮常に不平等な部分が出てきた場合、「しっかり物を申していかなければいけない。再交渉の可能性もある」と指摘した。
他の候補者と出演したフジテレビ「日曜報道」で発言したもので、トランプ氏が設置する投資委員会が具体的な投資案件を決める構造にも言及。首相になった場合は実施過程を注視する考えを示した。
日米合意には、日本側が巨額の対米投資基金を設立する内容が盛り込まれている。出資から得られる利益は日米で1対9になることから、日本の国益を害するとの懸念がある。
これに対し、赤沢亮正経済再生相は、全体の投資額には融資、融資保証が含まれており、出資部分は全体の1-2%にとどまるとの見解を示してきた。また日本に利益をもたらさない事業に資金は提供されないとしている。
原題:Trump’s $900 Billion Funding Demands Face Korea, Japan Caution(抜粋)

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