ここ数年、北海道を中心に外国人による土地購入が注目を集めている。

   とくに今年、北海道・倶知安町で中国人男性が代表を務める企業が無許可で森林を伐採した事案が明らかになり、不安の声が広がった。現在行われている自民党総裁選でも茂木敏充氏が「大きな不安、地域の懸念となっている」と言及し、世論の関心はさらに高まっている。

   では、外国人による土地取得の現状はどうなっているのか。

北海道・羊蹄山

北海道・羊蹄山

国民民主党・榛葉賀津也幹事長(編集部撮影)

国民民主党・榛葉賀津也幹事長(編集部撮影)

北海道・羊蹄山

国民民主党・榛葉賀津也幹事長(編集部撮影)

日本の法律では土地取得そのものは審査せず

   日本では外国人でも個人・法人を問わず土地を取得できる。これは世界的に見ると珍しい制度だ。

   たとえばフィリピンでは外国人の土地所有は禁止されている。アメリカでは原則自由だが、国家安全保障に関わる案件はCFIUS(対米外国投資委員会)の厳格な審査を受ける。

   日本でも安全保障上の観点から一部の制限が導入されている。2022年施行の「重要土地等調査法」では、自衛隊基地や原発、空港周辺、国境離島などにおいて、外国人を含む所有者や利用者に調査・報告義務を課すことが可能となった。ただし土地取得そのものを審査する仕組みではない。

   2025年4月24日の参議院外交防衛委員会では、国民民主党の榛葉賀津也幹事長が「リゾートならまだしも、飛行場やダムの周辺、水源地、温泉源になる鉱泉地が購入されている」と指摘。資源の確保や基地・通信インフラへの影響といった安全保障上の懸念も浮上している。

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