陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられた。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材した「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開。第19回は男子やり投げで8位入賞したニーラジ・チョプラ(インド)。東京五輪ではインド史上初となる陸上での金メダルを獲得し、英雄となった。ただ、子どもの頃は指導者不在の中で練習。環境よりも大切なマインドを教えてくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂、戸田 湧大)
男子やり投げで8位入賞したニーラジ・チョプラ【写真:ロイター】
東京世界陸上連載「東京に集いし超人たち」第19回
陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられた。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材した「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開。第19回は男子やり投げで8位入賞したニーラジ・チョプラ(インド)。東京五輪ではインド史上初となる陸上での金メダルを獲得し、英雄となった。ただ、子どもの頃は指導者不在の中で練習。環境よりも大切なマインドを教えてくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂、戸田 湧大)
英雄に熱い視線が注がれた。17日の男子やり投げ予選。戦いの口火を切ったチョプラは、1投目から予選通過ライン(84メートル50)を越えるビッグスローを披露。5万人が詰めかけた会場をどよめかせた。翌日の決勝は記録を伸ばせず、84メートル03の8位に終わったものの、五輪金メダリストの存在感を残した。
試合を終えたチョプラはTHE ANSWERの単独取材で、小さな村で育った自身の歩みを語ってくれた。
1997年生まれの27歳。インドの首都ニューデリーから100キロ以上離れたハリヤナ州パーニーパット。後にオリンピックチャンピオンとなる少年は、ここで生まれ育った。やり投げを始めたきっかけは、減量と地元の先輩の影響。「僕も『よし、やり投げをやってみよう』と決心したんだ。ただの思いつきではなかった」。決意を固めた14年前を振り返る。
インドといえばクリケットやフィールドホッケーが人気。チョプラの地元もスポーツが盛んだったが、やり投げはメジャーではなかった。競技を始めた当初は指導者不在。「コーチなしで先輩たちと一緒に練習していたね」。活用したのはYouTube動画だった。「コーチがいなくても、YouTubeの動画を見ればいい。良い動画も見つかるはずだ」。画面の中から多くを学んだ。
恵まれない環境で成長「何よりも努力と忍耐が大切だ」
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