カカ(徳島ヴォルティス在籍時) 写真:Getty Images

 ブラジル1部コリンチャンスは、徳島ヴォルティスから獲得したDFカカをはじめ、複数選手の移籍金を支払っていない模様。未払い額は12億円以上にのぼるほか、徳島がコリンチャンスを相手取りCAS(スポーツ仲裁裁判所)へ訴えたとみられる。

 ブラジル『ge』は26日、コリンチャンスの移籍金未払いに関する特集記事を掲載。これによると、同クラブは徳島に対してカカの移籍金2,400万レアル(約6億7,100万円)を一切支払っていない模様。MLS(メジャーリーグサッカー)ニューヨーク・シティに対するタレス・マグノのレンタル料、デンマーク1部ミッティランFCに対するチャールズの移籍金なども滞納しており、未払金は4,300万レアル(約12億200万円)にのぼるという。

 また、コリンチャンスはカカの移籍金を巡り、徳島と交渉しているとのこと。しかし、ブラジル『Meu Timao』は25日に「徳島はコリンチャンスを訴えた。2,900万レアル(約8億1,000万円)の支払いを求めているが、これには利息が加算されている」と報じている。

 カカは2023シーズンに徳島で構想外となり、同年7月にアトレチコ・パラナエンセへ期限付き移籍。2024年3月にコリンチャンスへ期限付き移籍したが、コリンチャンス加入1年目はブラジル1部リーグでほぼ全試合スタメン出場。主力センターバックとして活躍していた。

 出場時間で一定の条件を満たしたことにより、コリンチャンスにはカカの買い取り義務が発生し、完全移籍へ移行。『Meu Timao』の報道によると、2024年8月に同選手の出場時間が2200分を超えたため、コリンチャンスは保有権の60%として200万ドル(約3億1,500万円)を支払うことが確定。そして11月には出場時間が3150分を超えたため、保有権30%として200万ドルを追加で支払うことに。保有権90%の取得で400万ドル(約6億3,000万円)の買い取り義務が発生したという。

 巨額の移籍金を手に入れたとみられた徳島だが、一円も支払われていないことにより、法廷闘争へと発展する可能性も。今回の件でブラジル国内クラブのずさんさが改めて明るみに出た格好だ。

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