ONE Friday Fights 126
2025年9月26日(金)タイ・バンコク:ルンピニースタジアム

  

レポート:井原芳徳  写真:(C)ONE Championship  中継:U-NEXT

石井寿来、左ストレートでフランス人選手を沈め3戦連続ボーナス獲得

第1試合 ムエタイ 120ポンド(54.43kg)契約 3分3R
×エンゾ・クラリス[Enzo Clarisse](フランス/チーム・メディ・ザトゥ)
○石井寿来[じゅらい](ウォーワンチャイプロモーション/KPKBインターナショナル・バンタム級、BOMスーパーフライ級王者、WMC日本&スック・ワンキントーン・フライ級王者)
3R 1’27” TKO (レフェリーストップ:左ストレート)

 石井は20歳。ONEフライデー3戦3勝で、6月の2戦目では×ユネス・ムーニン(モロッコ)に2Rボディへの左膝蹴りでKO勝ち。8月15日の3戦目ではハー・リン・オム(ミャンマー)に3R左ハイでKO勝ちしている。現在8連勝中だ。
 クラリスは21歳。ONEフライデー3戦2勝1敗で、3月の柿﨑瑠戦はキックルールで判定2-1で勝利し、6月のパデッスク(タイ)とのムエタイルールの試合では2R KO勝ちしている。

 1R、クラリスがオーソドックス、石井がサウスポーで構える。中央付近で蹴り主体の攻防が続く。序盤、積極的にクラリスがローを蹴っていたが、中盤から石井が左ミドル、三日月蹴りの蹴り数をじわじわと増やす。終盤、首相撲の展開も加わり、お互い膝を当てほぼ五分だ。僅差ながら最終的には石井が蹴り数で上回り、クラリスは最後のほうになるとほとんど蹴れなくなる。記者採点は石井だがクラリスを評価するジャッジがいても不思議ではない程度の差だ。

 2R、クラリスは石井の蹴りをつかむようになるが、石井はパンチ主体に切り替え、左ストレート、ボディストレート、テンカオを当てるように。石井が前に出てクラリスがロープかコーナーを背負う時間が続き、終盤には左ストレートでついにダウンを奪う。

 3R、石井は変わらずプレッシャーをかけ、左ストレート、ミドルを随所で当てる。すると中盤、石井は左インローを当てると、さらに左ストレートをヒット。足の止まったクラリスに対し、左テンカオを放ってコーナーに詰め、左ストレートを連打し、クラリスが顔背けて腰が落ちると、すぐさまレフェリーがストップした。

 勝利者インタビューで石井に、35万バーツ(約150万円)のボーナス授与が発表された。石井は「チームのおかげで、ONE 3連続KO勝ち、3連続ボーナスを取ることができました。もっと強くなって、ONEのトップの選手と張り合える選手になります。怪我もないんでまたすぐ呼んでもらえるとうれしいです」とコメントした。

元K-1王者・黒田斗真、ONE初戦は判定負け

第2試合 キックボクシング アトム級(52.2kg) 3分3R
○アダム・ソー・デッチャバン[Adam Sor Dechapan](タイ/マレーシア)
×黒田斗真(FORWARD GYM/元K-1バンタム級(53kg)王者)※フリーから所属変更
判定3-0

 黒田は24歳。23年12月のK-1で石井一成を下しK-1バンタム級王座を初防衛。その後、ブランクが続き、K-1を離れると、今年5月のSPACE ONE×BOM立川大会に参戦し、タイ人のシワラットに1R55秒左膝蹴りでKO勝ち。今回ONEに初参戦した。
 アダムは17歳。ONE 2戦1勝1敗で、同じフランス人選手と2度ムエタイルールで戦い、初戦はスプリット判定勝ち、再戦では2R TKO負けしている。

 1R、黒田がサウスポー、アダムがオーソドックスで構え、蹴りの応酬から黒田が左ストレートを当てるが、アダムも黒田の蹴りのタイミングで左ジャブを返す。中盤、アダムは出入りのフェイントを織り交ぜつつ右ミドルを当てるように。終盤、お互い攻撃が少ないものの、アダムが随所で変わらず右ミドル、左ジャブを的確に当て、手数差を広げて終える。記者採点はアダム。

 2R、長身のアダムが自分の距離を保ち、右ミドルを随所で的確に当てる。中盤、黒田の左フックで少しアダムの腰が落ちるが、すぐにアダムは持ち直し、追撃は許さない。終盤、アダムは右ミドル、黒田は左ミドル、ストレートをヒット。若干アダムの攻撃が多いものの、黒田も左フックを印象を作るラウンドに。記者採点はアダムだが黒田につく可能性もある

 3Rも黒田が左インロー、ストレート、アダムが右ミドル主体の攻防が続き、なかなか均衡が崩れない。終盤も同様で、最後はお互い攻撃が増えるが、その先につなげられず終わる。黒田のインローでアダムの足が崩れがちになっていたため、若干黒田が好印象か。記者採点は黒田だがアダムにつく可能性もある。合計29-28でアダム。接戦のラウンドが続いたが、ジャッジ3者ともアダムを支持し、アダムが判定勝ちし、黒田のONE初戦は白星とはならなかった。

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