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Bloomberg

掲載日

2025年9月26日

世界有数の市場であるインドでは、記録的な地金高を背景に、購入者がより安価な選択肢へと流れており、祝祭シーズンを前に金製ジュエリーの販売が減少する見通しだ。

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India Bullion and Jewellers Association(インド地金・宝飾品協会)の事務局長であるSurendra Mehta氏によると、3週間にわたる購買期間中、宝飾品需要は数量ベースで前年比最大27%減少する可能性があるという。コスト高を受け、とりわけ大都市の消費者が支出を先送りしていると同氏は述べた。

インドでは金は結婚式や特別な日の伝統的な贈り物であり、投資対象としても好まれる。例年、宝飾品需要が盛り上がる時期――購入シーズンは9月の9日間にわたるナヴラートリ祭で幕を開け、10月のディワリへと続く――にあたる今季は、地金価格が昨年の同じ祝祭期に比べて約50%上昇している。 

ディワリの幕開けを告げるダンテーラスの期間中は、全国の金の販売店が深夜まで営業するのが通例で、金や銀の購入に最適な時期として好まれている。宝飾品はインドの地金消費の約70%を占め、地元の販売業者の年間収益はこの数週間に大きく左右される。

今季、現地価格は10グラム当たり10万ルピー(1,128ドル)を上回る水準で推移しており、インドの数詞体系では1ラク(lakh)に相当する。この水準は、あらかじめ予算を決めている消費者の購買意欲を削いでおり、多くは当初望んでいたよりも軽量の品を選ばざるを得なくなっている。 

世界のスポット価格は過去2年間で倍以上に上昇し、今週は1オンス当たり3,791.10ドルの史上最高値を付けた。 

需要は年の大半で下押し圧力が続いている。ワールド・ゴールド・カウンシルが7月に発表したレポートによると、インドの4~6月の宝飾品購入は前年同期比17%減となり、2025年の金の総購入量は過去5年で最低水準に落ち込む見通しだ。

「現在、需要の大半は軽量品やより手頃な価格の品に向かっています」と、デリーを拠点とする宝石商、アーハム・アフマド氏は語る。来店客は、2グラムほどの小さな装飾品を購入しているという。 

「重量のあるジュエリーの需要は、しばらく低調な状態が続いている」と付け加えた。

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