コロナ渦を含む2020年以降、幾たびも台湾に飛び、リサーチを続けてきた空族。ストリートの音楽に導かれて辿り着いたのは、原住民たちの集落だった。アミ族が暮らす花蓮県タパロン部落、そこから3000メートル級の中央山脈を越えたセデック族の部落、そして台湾の最南端にあるパイワン族の村。

失われつつある原住民の言葉でラップし始める若者たち、原住民の伝統音楽をアップデートして新たな音を生もうとするアーティストたちなど、空族は出会った人々と交流する。そして日本を含むさまざまな国に侵略された歴史も知ることに。だが、過去をはねのけるように人々は活き活きと踊り、歌い、笑う。

フィナーレは毎年タパロンで行われるアミ族最大の豊年祭だ。艶やかな原住民の衣装を纏った人々は、三日三晩踊り続ける。時空を超え、私たちも祝祭に身を委ねていく──。

公開期間中には空族の特集も予定されている。併せて注目したい。

──空族(富田克也・相澤虎之助)メッセージ

「潜行一千里 ILHA FORMOSA」

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