風間優華選手は東海大学付属諏訪高校でプレーしているときにAC長野パルセイロ・レディースのスカウトに発掘されました。その頃、風間選手は身長が175センチある「ただ、身長の高いゴールキーパー」でした。

キックオフ前に池尻 凪沙選手とグータッチ

恵まれた身長を活かす指導を受けてこなかった

実質的には高校を卒業してから技術を身に付けはじました。なぜなら、高校では、きちんとした技術指導をほとんど受けたことがなかったからです。風間選手は体格を生かし、右肩上がりで成長していきます。しかし、学びのスタートが遅かったこともあり、AC長野パルセイロ・レディースでは1試合しか出場することができませんでした。※リーグ戦

再びWEリーグへ

2025年に入り風間選手はなでしこリーグ1部の伊賀FCくノ一三重に移籍しますが、そこでも出場機会はありません。ところが、ノジマステラ神奈川相模原からオファーがあり、夏からはノジマステラ神奈川相模原の一員となっています。

「伊賀FCくノ一三重の監督やフロントスタッフに相談したとき『サッカー選手としての人生を考え(ノジマステラ神奈川相模原に)行くべきだ』と背中を押していただきました。」

風間選手は、今シーズンの新体制発表会で決断について話しました。その際、涙を堪えているように見えました。自分でも予想しなかったタイミングで、またWEリーグに復帰することができたのです。

スタメン出場を果たした風間 優華選手

小笠原唯志監督の思い

小笠原唯志監督は風間選手がAC長野パルセイロ・レディースに加入当時、AC長野パルセイロ・レディースで仕事をしており風間選手の獲得に関わりました。強化、指導者の立場で成長を見守ってきました。そして、この夏、ノジマステラ神奈川相模原への加入オファーは、実は、小笠原監督の主導で行われていました。小笠原監督は、海外と同じように大きなゴールキーパーが日本の女子サッカーには必要だと考えていたのです。

2025年9月23日、2025/26SOMPO WEリーグ 第13節 日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦で、小笠原監督は風間選手にスタメンという大きな仕事を与えました。風間選手は、自らのミスで1点を失うも、キャッチとハイボールの処理は安定し、大型ゴールキーパーの魅力と可能性をスタンドに感じさせてくれました。

「まだまだ良いゴールキーパーになると思うので、ぜひ、期待していただきたいと思います。」

それが、この試合後の監督会見を締め括った小笠原監督の言葉でした。選手も指導者も夢と理想を追いかけて、失敗しながら大きくなっていきます。

まだまだ成長する風間 優華選手

今月の #女子サカマガ を振り返る

勝ち点0、得点0から逆襲へ 出産翌々月に復帰した櫻林亜佐子コーチと鳥居塚伸人強化ダイレクターの役割

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次月の #女子サカマガ をご紹介

このような記事を予定しています。あなたの考えを裏付ける、生の最新情報をWE Love 女子サッカーマガジンで入手できます。次月もよろしくお願いします。

・日テレ・東京ヴェルディベレーザのゴールキーパー
・INAC神戸レオネッサの変化
・U-17FIFA女子ワールドカップ開幕
・湘南ベルマーレが女子サッカーに挑む
・JFAアカデミー福島とちふれASエルフェン埼玉の関係

(2025年9月24日 石井和裕)

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