長崎くんちの踊町の見どころを紹介するシリーズは『西古川町』です。

奉納するのは、江戸時代から続く「櫓太鼓」と優美な「本踊」。

力強い太鼓の音と弓取りの演技、そして華やかな舞いで、踊馬場を盛り上げます。

【NIB news every. 2025年9月2日O.Aより】

◆相撲ゆかりの町が奉納する伝統の櫓太鼓

行司役の子どもの、力強く元気ある口上で演し物が始まります。

特有のリズムでばちをさばく「櫓太鼓」。

優美な舞の「本踊」。

西古川町は、相撲ゆかりの演し物を奉納します。

旧町名である「西古川町」。

現在は、万屋町、古川町、諏訪町に分かれています。

江戸時代の1672年に町が誕生し、奉納はその2年後から行われています。

当時、九州で唯一行われていた長崎での相撲の興行を、町が取り仕切っていたことなどが演し物の由縁です。

江戸時代から、相撲の開場・閉場の合図として叩かれていたと言われる「櫓太鼓」。

今回 撥方(ばちかた)として臨むのが、許 冬威さん。くんち初出演です。

(撥方 許 冬威さん)
「結構緊張しやすいタイプで、お腹痛くなったりとかもするんです。
 本番は客席は見ないように、太鼓の面だけに集中して叩きたい」

共に出演する兄やおじから指導を受け、独特のリズムを覚えていきました。

観客を魅了する櫓太鼓を目指し、稽古が続きます。

◆弓取り方を担うのは相撲部所属 ウクライナからの留学生

弓取り式を務めるのは、高校3年生のエゴール・チュグンさん。

ウクライナの出身です。

(弓取り方 エゴール・チュグンさん)
「日本の歴史のあるイベントが好きなので、(出演できて)すごくうれしい」

チュグンさんはおととし11月、長崎市の長崎鶴洋高校に避難留学してきました。

家族と離れて生活していますが、相撲部に所属し、将来は「横綱になる」ことを目標に、努力を重ねています。

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