25日の商品市場では銅が約1年ぶりの高値付近で推移している。米フリーポート・マクモランが、インドネシアの巨大鉱山グラスバーグで発生した事故を受け、契約供給について不可抗力を宣言したことが響いている。

  ロンドン金属取引所(LME)の銅先物は午前8時58分時点で0.3%高の1トン=1万368ドル。前日は一時3.9%上昇した。同鉱山で発生した坑内トンネル事故により、作業員5人がなお行方不明となっており、フリーポートは銅および金の売上高見通しを下方修正した。

関連記事:世界2位の銅鉱山で事故、フリーポート不可抗力宣言で銅価格が急騰

  シンガポールに拠点を置くCRUインターナショナルのプリンシパルアナリスト、クレイグ・ラング氏は「稼働中の鉱山から将来のプロジェクトに至るまで、供給見通しに対する不確実性がさらに高まった」と指摘。「銅価格がどれだけ押し上げられるかを定量的に試算するのは難しいが、価格に上昇圧力がかかる可能性は高い」と述べた。

  作業員2人が死者した今回の事故は、供給がひっ迫する中、銅市場が世界的な供給ショックに対していかに脆弱であるかを浮き彫りにした。

  UBSグループのアナリストは調査レポートで、グラスバーグ鉱山の不可抗力宣言により、予測されていた来年の供給不足はさらに広がると指摘、銅に対する強気の見通しをあらためて示した。マッコーリー・グループの商品ストラテジスト、アリス・フォックス氏は、今年下期の供給への影響は約21万トンと試算している。

原題:Copper Holds Highs as Market Eyes Freeport Mine Supply Upset

(抜粋)

WACOCA: People, Life, Style.