25日未明、東京・杉並区のマンションで火事があり、男女6人が煙を吸うなどして病院に搬送されました。
火元とみられる部屋に住む女性は「モバイルバッテリーをスマートフォンにつないで寝ていたところ炎が上がった」と話していたということで、警視庁などが詳しい状況を調べています。

警視庁や東京消防庁によりますと25日午前2時前、東京・杉並区阿佐谷南の5階建てのマンションの1室で「モバイルバッテリーから火が出た」と119番通報がありました。

消防車など29台が出て消火にあたり火はおよそ2時間後に消し止められましたが、2階の1室およそ20平方メートルが焼けたほか、この部屋に住む10代の女性など男女あわせて6人が煙を吸うなどして病院に搬送されました。

いずれも軽傷とみられるということです。

警視庁によりますと、火元とみられる部屋の女性は「モバイルバッテリーをスマートフォンにつなぎ充電した状態で寝ていたが『ボン』と音がしたので起きると炎が上がっていた」と話していたということです。

現場は東京メトロ丸ノ内線の南阿佐ケ谷駅から東におよそ200メートル離れた住宅や飲食店が建ち並ぶ地域で、警視庁などはモバイルバッテリーから出火したとみて詳しい状況を調べています。

【都内 リチウムイオン電池製品が原因の火災 半年間で143件】
東京消防庁によりますと、モバイルバッテリーやスマートフォンなど、リチウムイオン電池を使った製品が原因となった火災は東京都内でことし6月までの半年間に143件に上り、過去最多だった去年を上回るペースで増えています。

製品別ではモバイルバッテリーが47件と最も多く、次いでスマートフォンが19件、電動アシスト付き自転車が11件、などとなっています。

このうちモバイルバッテリーの火災では、リュックサックの中でスマートフォンを充電していたところ突然、煙が出たり、バッテリーを落とした際に火が出たりしたケースがあったということです。

リチウムイオン電池は可燃性の有機溶剤の電解液が含まれているため、高温の環境で放置したり、強い衝撃を与えたりすると発熱や破裂、発火するなどして火災につながるおそれがあるということです。

去年1年間に起きた、リチウムイオン電池に関連する火災では、およそ6割が充電中に発生したといいます。

ことし7月以降も火災が相次いでいて、7月20日にJR山手線の電車内でスマートフォンを充電していたモバイルバッテリーから火が出て乗客5人がやけどをするなど軽いけがをしました。

先月(8月)28日には、東京のJR上野駅に向かっていた上越新幹線の車内で、乗客のスーツケースに入っていたモバイルバッテリーから煙が出てこの乗客が手にけがをしました。

警視庁によりますと、この乗客はモバイルバッテリーを「およそ5年前に購入した」と話していたということです。

東京消防庁は、リチウムイオン電池を使った製品を使用する際は衝撃を与えないよう持ち運びに気をつけるとともに、メーカーが指定する充電器やバッテリーを使うよう注意を呼びかけています。

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