「ラグザス presents WBSC U-18 野球ワールドカップ2025」ではアメリカが投手力と守備力を武器に優勝トロフィーを手にした。決勝戦も投手戦が繰り広げられたがその中で最速を記録したのは日本の救援投手・石垣元気だ。石垣は大会全体を通じても最も速い2球を含む試合最速の3球を投げ込んた。
2024年10月からWBSCと提携するトラックマンのデータによって今大会(2025年9月5日〜14日、沖縄開催)で最速のボールを投げた投手が明らかになった。なかでも日本の右腕・石垣は計測された6球のうち5球で大会最速を叩き出し地元ファンを大いに沸かせた。記録した球速は158km/h、157.8km/h、157.6km/h、157.4km/h、157.2km/h(マイル換算で98.18、98、97.9、97.8、97.7)。
石垣の連続記録を止めたのはアメリカのジオ・ロハスだ。スーパーラウンドのアメリカ対韓国戦(アメリカが1対0で勝利)でロハスは3回表にオ・ジェウォンに対して、時速157.6キロメートルを記録した。
1か月前に18歳になったばかりの石垣が今大会最速を記録したのは、アメリカとの決勝戦だった。5回、ブロディ・シューメーカーとアンソニー・マーフィーを相手に158キロ、157.8キロ、156.4キロ(時速98.18マイル、98マイル、97.18マイル)を投げ、この試合で最速となる3球をすべて叩き出した。
4回1死からマウンドに上がった石垣は、3と2/3イニングを投げ無安打に抑えた。
決勝戦で4番目に速かった球は、MVPのコールマン・ボースウィックが7回の試合最後に横山悠に投げた時速156.1キロメートル(97マイル)の速球だった。
3番打者としても出場したボースウィックは「7回に打席も回ってきたので、コーチに投手交代をお願いしようかと思っていました」と語った。しかし、元ワールドシリーズ優勝投手である彼のピッチングコーチ、ブラッド・ペニーは最終的に交代させず、ボースウィックはマウンドに上がって最後まで投げ切り完投。
9月14日(日)の決勝戦ではボースウィック(17歳)の球速は安定しており、4回に時速155.8キロ、5回に155.7キロ、そして6回に155.6キロを記録した。
ボースウィックの腕前はその球速だけではない。ボースウィックの球の回転数は、試合序盤で毎分2,666回転(RPM)、3回には2,577回転、4回には2,585回転、5回には2,629回転を記録した。
回転数とは、投手の腕からホームプレートに向かう間に野球のボールが1分間に何回転するかを測定するもので、ボースウィックが1回に投げた球がもし1分間飛んでいたら、2,666回転していたことになる。
ボースウィックはまだ17歳だが、彼の速球回転数はすでにMLBの平均(2,200〜2,300回転)を上回っており、2,666回転という数字はマックス・シャーザーのようなスーパースターと肩を並べるレベルだ。
大会全体を通して速球の回転数が最も高かったのは韓国のシム・ドンクンの2828回転で、これにロハスが2806、2805、2803、2786回転と僅差で続く。18歳のアメリカ投手ロハスは、今大会の回転数トップ10のうち7つを記録しており、キューバのレアンドロ・フォルテサ・ガルシア(6位)とシム(8位)と並んだ。
トラックマンはドップラー技術を利用したレーダーシステムでスポーツのボールの動きを追跡・記録し、チーム、ファン、放送局に知見やデータを提供する。
韓国(KBO)と台湾(CPBL)のプロ野球の球団はすべてトラックマンを使用している。このシステムは「世界最大かつ最も影響力のある」デジタル野球スカウティングプラットフォームを提供しており、携帯型のB1は選手の育成を助け、V3は試合中の追跡ソリューションを提供している。
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