トランプ米大統領が国連演説、2期目初

トランプ米大統領は国連総会で演説した。2期目就任後で初。23日、ニューヨークの国連本部で撮影(2025年 ロイター/MIKE SEGAR)

[国連 23日 ロイター] – トランプ米大統領は23日、国連総会で演説し、国連が米主導の和平努力を支援していないと批判した。自身が国際機関の支援なしに複数の世界的紛争を解決したとも言明した。

トランプ氏の国連での一般討論演説は2期目就任後で初となる。

トランプ大統領は「私は7つの戦争を終結させ、関係各国の指導者と交渉したが、国連から合意の締結に協力するとの電話を受けたことは一度もない」と述べた。

「国連の目的は何なのか。国連は非常に大きな可能性を秘めている。しかし、その可能性を十分に発揮していない」とした上で、「非常に強い言葉を使って手紙を書くだけで、その後何のフォローアップもしていないようだ。空虚な言葉ばかりだ。それでは戦争は解決しない。戦争を解決する唯一の方法は行動だ」と言明した。

ただ、演説後に行ったグテレス国連事務総長との会談ではトーンを和らげ、「米国は国連を100%支持している」と述べた。「時に賛同できないこともあるが、私は国連を強く支持する。国連が平和を実現する可能性が非常に大きいと考えているからだ」と述べた。

グテレス氏はトランプ大統領に対し、国連が「公正な平和のために協力できるよう、国連は全面的に米国と協力する用意がある」と語った。

演説では、トランプ氏はパレスチナ自治区ガザでの停戦を実現させなければならないとし、平和を支持する人々は人質の解放を求めて団結すべきだと訴えた。

同時に「あたかも紛争継続を促すかのように、パレスチナ国家を一方的に承認しようとする向きがある」とし、パレスチナ国家承認はイスラム組織ハマスに対する「あまりにも大きい報酬」と反発した。

ウクライナ情勢については、ロシアに対し強力な経済措置を講じる用意があると改めて警告。「ロシアが戦争終結に合意する用意がなければ、米国は極めて強力な関税を課す準備が十分に整っている。そうすれば流血を速やかに止められると確信している」と述べた。

同時に、米国の制裁措置が効果を発揮するためには「ここに集まった欧州諸国全てが、われわれと同じ措置を講じる必要がある」とし、他国の連携を呼びかけた。

トランプ氏は同日、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談する。

イランについては、核兵器保有は決して許されないとし、「私の立場は非常にシンプルだ。世界一のテロ支援国が最も危険な兵器を保有することを許してはならない」と述べた。

また、気候変動を世界に対する「史上最大の詐欺」と非難し、地球環境保護に向けた国際的な取り組みに対する懐疑的な見方を改めて強調した。

トランプ氏は「国連やその他多くの機関による予測は、多くの場合誤った理由に基づいている」とし、「愚かな人々によって作られたもので、国の富や成功のチャンスを奪っている」と主張した。

演説の冒頭、テレプロンプター(演説用の原稿を表示する装置)が機能しないハプニングが起きた。トランプ大統領は国連ビルのエスカレーターの故障についても言及し、「国連から2つのことを受け取った。悪いエスカレーターとテレプロンプターだ」と述べ、ジョークを交えながらも、国連に対する個人的な不満を表明した。

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