掲載日

2025年9月23日

米国の繊維リサイクル専門企業Circと、インドの繊維大手Arvind Limitedが戦略的提携を発表した。ArvindはCircが生み出す循環型素材を自社の製品ラインアップに取り入れることを約束しており、これによりCircは事業拡大と並行して販路を確保できる見通しだ。

Arvind Limitedのサステナビリティ担当上級副社長Abhishek Bansal氏とCircのCEO、Peter Majeranowski氏。両社のチームに囲まれてArvind Limitedのサステナビリティ担当上級副社長Abhishek Bansal氏とCircのCEO、Peter Majeranowski氏。両社のチームに囲まれて – Circ

Circ社は、熱と圧力を用い、化学薬品の使用を最小限に抑えた特許取得済みの水熱プロセスを運用している。同社は、衣料品で最も一般的な混紡素材である「ポリコットン」を構成するポリエステルと綿を分離・回収し、活用できる能力を有しているとしている。

今回の合意により、Arvind Limitedは今後5年間、再生ポリエステルおよび再生セルロース繊維(化学的に加工された植物由来繊維)を自社の製品ラインアップに組み込むことを約束している。これはCircにとって大きな前進だ。というのも、ArvindはUS Polo Assn、Calvin Klein、Tommy Hilfiger、Gap、Izod、Hanesなどの大手ブランド向けに製造を担っているからだ。

「このパートナーシップは、規模と持続可能性が両立する繊維産業における新章を開くものです」とCircのCEO、Peter Majeranowski氏は述べる。「世界有数の繊維企業の一つと力を合わせることで、より多くのブランドが繊維原料にアクセスできるようになり、循環性を真に商業的なスケールで実現する道を切り開けます」。

今春、Circは2028年に向け、ポリコットン(ポリエステルと綿の混紡)に特化した4億5,000万ユーロ規模のリサイクル施設をフランスのサン・アヴォルド(モーゼル県)に設置する計画を発表した。

またCircは、スウェーデンのCirculose(旧Renewcell)、同国のSyre、トルコのRe&Up(Sankoグループの子会社)とともに、3月にT2T Allianceと呼ばれるロビー団体を立ち上げ、欧州の公的当局に対して繊維リサイクルの専門家を代表することを目的としている。

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