茨城県境町と「IBARAKI SAKAI Urban Sports Fes.」実行委員会は、11月21日から30日まで、境町アーバンスポーツパークや全天候型の境町アーバンスポーツパーク2ndなどを会場に、ローラーフリースタイル、スクータリング、BMX、ブレイキンの国際競技大会を開催すると発表した。大会はアーバンスポーツの国際統括団体World Skateと、エクストリームスポーツ国際フェスティバル「FISE」を主催するHurricaneが初めて共同で手掛けるもので、世界各国からトップ選手が集結する。
茨城県境町で11月、世界初の「IBARAKI SAKAI Urban Sports Fes.」が開かれ、ローラーフリースタイルやBMX、ブレイキンのトップ選手が集結する。(写真/黃信維撮影)
記者会見には、境町長の橋本正裕氏、実行委員会委員長の野口富太郎氏、実行委員会プロデューサーで日本ローラーフリースタイル協会代表理事の安床武士氏、全日本フリースタイルBMX連盟理事長の出口智嗣氏が出席した。さらに、ローラーフリースタイル世界大会で活躍する明賀芽泉選手、パリ五輪ブレイキン代表のHIRO10(大能寛飛)選手、日本ダンススポーツ連盟ブレイキン事務部部長の門脇睦氏、境町在住の若手選手宮本選手も登壇し、それぞれ大会への意気込みを語った。
橋本正裕町長は「2021年3月にアーバンスポーツパークを完成させ、同年5月にはジャパンカップを開催して全国的な注目を集めた。2023年9月にはフランス・モンペリエと友好都市協定を結び、11月には第1回境町カップを実施。2024年3月には東京五輪で使用されたBMXコートを移設し、境町アーバンスポーツパーク2ndを完成させ、5月にはワールドスケートゲームの日本代表選考会を誘致した。さらにワールドスケートやFISEとも協定を結び、今回の大会開催が決定した。世界から、そして日本の代表が活躍する大会になることを期待している。町には世界チャンピオンを含む多くのトップ選手が移住しており、子どもたちの未来や町民のシビックプライドにもつながる。BMXに加え、ブレイキンも実施する。将来的にはスケートボードの世界大会も追加され、アーバンスポーツを通して地域を盛り上げていきたい」と語った。
茨城県境町で11月、世界初の「IBARAKI SAKAI Urban Sports Fes.」が開かれ、ローラーフリースタイルやBMX、ブレイキンのトップ選手が集結する。(写真/黃信維撮影)
茨城県境町で11月、世界初の「IBARAKI SAKAI Urban Sports Fes.」が開かれ、ローラーフリースタイルやBMX、ブレイキンのトップ選手が集結する。(写真/黃信維撮影)
安床武士プロデューサーは「World SkateとFISEが同時に世界大会を開催するのは世界初であり、ローラーフリースタイルとスクータリングは11月21日から27日まで、続いて26日から30日にかけてBMXフリースタイルとブレイキンが行われる。20カ国以上から400人規模の選手が参加する見込みで、境町在住選手を含め日本人の活躍も期待できる。観客はテレビより近い距離で世界トップの技を体感できる」と説明した。
茨城県境町で11月、世界初の「IBARAKI SAKAI Urban Sports Fes.」が開かれ、ローラーフリースタイルやBMX、ブレイキンのトップ選手が集結する。(写真/黃信維提供)
ブレイキンのHIRO10(大能寛飛)選手は「こういう機会はありがたい。日本全体でブレイキンが広がっていけばうれしい。今年5月のFISEモンペリエ大会で優勝できたので、今回も優勝して2連覇したい」と意気込みを語った。パリ五輪では14位に終わり、その後は右肩を負傷しパワームーブができなくなったが、「パワームーブだけに頼らず、フットワークやトップロックなど新しい表現に挑戦し、歴史を学びながら自分のスタイルを磨いてきた。五輪はボーナスのようなもの。種目から外れてもブレイキンを続ける」と決意を示した。
茨城県境町で11月、世界初の「IBARAKI SAKAI Urban Sports Fes.」が開かれ、ローラーフリースタイルやBMX、ブレイキンのトップ選手が集結する。(写真/黃信維撮影)
ローラーフリースタイルの明賀芽泉選手は「境町に移住してからは毎日練習ができる環境が整い、地域の人々が応援してくれるのが心強い。ストリートとパークの両種目でダブル優勝を目指したい」と語った。また、宮本選手も「学校から車で5分ほどでパークに行けるので放課後に2〜3時間練習できる。町全体が応援してくれていることが嬉しい」と話した。
茨城県境町で11月、世界初の「IBARAKI SAKAI Urban Sports Fes.」が開かれ、ローラーフリースタイルやBMX、ブレイキンのトップ選手が集結する。(写真/黃信維撮影)
境町は東京五輪のレガシーを継承しながら国際大会を推進しており、宿泊施設の拡充や周辺自治体との連携も進めている。橋本町長は「町全体で大会を盛り上げ、選手受け入れ態勢を整えていきたい」と呼びかけた。
茨城県境町で11月、世界初の「IBARAKI SAKAI Urban Sports Fes.」が開かれ、ローラーフリースタイルやBMX、ブレイキンのトップ選手が集結する。(写真/黃信維撮影)
境町は茨城県の西端、利根川沿いに位置する人口約2万3千人の町で、首都圏からのアクセスの良さを生かしながら、スポーツや文化を核とした地域づくりを進めている。近年はBMXやローラーフリースタイルの拠点整備を進め、国内外の若手選手が移住するなど、アーバンスポーツの町として注目を集めている。
茨城県境町で11月、世界初の「IBARAKI SAKAI Urban Sports Fes.」が開かれ、ローラーフリースタイルやBMX、ブレイキンのトップ選手が集結する。(写真/黃信維撮影)
また、町は先進的な行政運営でも知られ、ドローンや自動運転バスの導入、ふるさと納税を活用したまちづくりなど、新しい取り組みを積極的に展開している。今回の国際大会開催も、そうした挑戦的な町の姿勢を象徴するものとなっている。
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