豪雨で大きなダメージを受けた石川県輪島市の「町野町」 町のスーパーやラジオ放送局は復興を誓う 姉を亡くした弟は「空の上から見守っとってね」とラジオでメッセージ

豪雨で大きなダメージを受けた石川県輪島市の「町野町」 町のスーパーやラジオ放送局は復興を誓う 姉を亡くした弟は「空の上から見守っとってね」とラジオでメッセージ

2024年に能登半島を襲った豪雨では、石川県輪島市町野町も川の氾濫で非常に大きなな被害を受けました。

町唯一のスーパーには、今年に入り新たに災害放送局ができましたが、住民が思いを一つに復興への道のりを一歩ずつ歩んでいます。

輪島市町野町にある唯一のスーパーマーケット「もとやスーパー」は、豪雨で土砂が流入し休業を余儀なくされるも、地元住民やボランティアと復旧を進め、2024年11月に営業を再開しました。

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もとやスーパー・本谷一知社長「毎日新しい人がいっぱい来て、毎日違うことが起きてすごく長く感じた。1年ちょうど経って今からさあやるぞというのが正直なところ。ひとりひとり理想に向かっていければというスタートを始めるとき」

復旧への感謝を伝えるイベント 地域のラジオでは亡くなった姉へのメッセージ

21日に開かれた「もとやスーパーDE感謝祭」

店の復旧を支えてくれた人に感謝を伝えるイベントで、書道家によるパフォーマンスも行われました。本谷さんの希望で書かれた文字は「開(ひらく)」です。

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もとやスーパー・本谷一知社長「泊まれるスーパーということで50人泊まれる施設を作る。これが(町の)希望の光になればいい。来年の今ごろは建物自体も変わっているのでそのワクワク感をみんなと共有してやっていきたい」

町野復興プロジェクト実行委員会委員長・山下祐介さん「あれから1年がたち、町は復旧復興したのか、どうなっているのか」

2025年7月に開局した臨時の災害放送局「まちのラジオ」で、21日放送された特別番組。

スタッフの中山真さんは豪雨で姉の美紀さんを亡くしました。

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中山真さん「1年経った今でも夢なんじゃないかと思ってしまいます。本当に31年間一緒にいてくれてありがとう。空の上から見守っとってね。よろしく」「(町野町の)町民が気にかけてくれた思いと、亡くなった姉が背中を押してくれたたくさんの思いが原動力になった」

住民の思いを原動力に、まちのラジオは地域の声を伝え続けます。

町野復興プロジェクト実行委員会委員長・山下祐介さん「考えるより動けという形で動いているから気持ちも前に向く。そんな感じで動いていた。自分たちじゃ無理ということでも、とにかく前を向いてみんなでアイデアを出し合いながら、理想の町をみんなで作っていきたい」

町内を流れる鈴屋川が氾濫し最大で高さおよそ2メートルまで浸水したところもあった町野町ですが、発災からわずか1週間で町内の中学校に地元の有志が民間のボランティアセンターを開設し、ボランティアの受け皿を作ったりと地元住民の活動が非常に活発でした。

被災しても、住民ひとりひとりが町を愛する心を胸に復興に向かって前進を続けています。

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