ベルリン、ロンドン、ブリュッセルの各空港では22日も混乱が続いた。主要航空会社のチェックインシステムがサイバー攻撃を受け、職員が手作業で対応せざるを得なくなったためだ。遅延や欠航など影響は広範囲に及んでいる。
今回の障害は、米コリンズ・エアロスペースが提供するシステム「MUSE」が19日遅くにサイバー攻撃で停止したことに端を発する。このシステムは世界の航空会社のチェックイン、搭乗、手荷物システムを支える基盤となっており、各空港は手作業に切り替えざるを得なくなり、乗客の流れが滞っている。
ドイツのベルリン・ブランデンブルク空港は遅延の継続を報告。英ヒースロー空港は「大多数の便は運航している」と説明しつつ、出発前に運航状況を確認するよう旅行者に呼びかけた。欧州の他の空港にも影響は及び、ダブリン空港では現地時間正午時点で13便の欠航が報告された。
今回の混乱は、基幹システムの提供元で障害が発生した際に航空会社や空港が受ける打撃の大きさを浮き彫りにした。コリンズのシステムが全面復旧するまでは、不安定な状況は続くとみられる。
今年はインフラや航空分野に対するサイバー攻撃の脅威が高まっている。仏タレスが6月に公表した報告書によれば、航空業界におけるランサムウエア攻撃は前年比で600%増加し、航空会社や空港、航行システムや関連サービスで数十件の被害が確認された。
原題:Europe Air Travel Snarls Continue After Cyberattack (1)(抜粋)
— 取材協力 Suzanne Lynch
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