長崎くんちの踊町の見どころを紹介するシリーズは『諏訪町』です。

大小の龍が次々と踊馬場を駆け回り、華麗に諏訪の空を舞う「龍踊」。

生まれも育ちも諏訪町という青年が初めての龍頭を担い、龍に魂を吹き込みます。

【NIB news every. 2025年9月11日O.Aより】

◆次々と踊馬場に登場する “大小4体の龍”

まるで生きているかのように、魂を宿し諏訪を舞う龍。

とぐろを巻き、上下左右に玉を探す「静」、激しく玉を追い乱舞する「動」。

二つの動きを絶妙に重ね、観る者を魅了します。

約140年続く諏訪町の「龍踊」は、雄の青龍と雌の白龍に子龍、
そして孫龍の、3世代4体が乱舞する多彩な演出が特徴です。

(手塚 勝治 自治会長)
「棒1本、1本に魂を込めたスピード感や、細かい本当の龍を表すような動きが魅力だと思う」

諏訪町では、青龍と白龍を操る「龍方」の世代交代が進んでいます。

42人のうち、約6割の23人が新人。

龍の頭を扱う「龍頭」を務める、近金幸太郎さん 30歳もその1人です。

◆諏訪町で育ち暮らす青年が “憧れの龍頭”に

近金さんは、明治後期から諏訪町で代々続く果物店の6代目。

(近金 幸太郎さん)
「(くんちは母の)お腹の中にいた時から、ずっと身近な存在」

小学1年生の時に子龍の2番として、初めて龍踊に参加。

7年後の中学2年生では、囃子として大太鼓を担当しました。

高校を卒業後に県外へ出ていたこともあり、くんちへの参加は17年ぶりになるそうです。

(近金 幸太郎さん)
「昔からいる人ってほとんどいなくなっている。 地元の人間として、責任感と盛り上げたい気持ちがあるので、目立てるポジションというか、そこでやりたい」

町の稽古を1週間後に控えた、7月14日。

諏訪神社に近金さんの姿がありました。

4月からほぼ毎日、自主練習を重ねてきたそうです。

練習用に特注したという棒の重さは、9キロ。
その両手には、積み重ねてきた努力の痕がありました。

(近金 幸太郎さん)
「7月22日から始める稽古に、どれだけ体力がつけられるか、どれだけ筋力をつけられるか、どれだけの覚悟をもって挑めるか。最高の奉納ができるように、先輩たちに遅れをとらないようにしっかりやっていきたい」

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