トランプ米大統領はインドのモディ首相と電話で協議したと明らかにした。米印両国は現在、関税やインドのロシア産原油購入を巡って対立しているが、今回の協議が緊張緩和のきっかけになる可能性がある。
トランプ氏は16日、ソーシャルメディアに、モディ氏と「素晴らしい」電話会談を行い、誕生日を祝ったと投稿。「彼は素晴らしい仕事をしている。ロシアとウクライナの戦争終結に向けた支援に感謝する!」と述べた。
米国とインドは今週、貿易交渉を再開し、双方とも前向きな内容だったと評価した。トランプ氏が先月、対インド関税を25%から50%に引き上げたが、その後、両国は関係修復を模索している。関税引き上げには、インドの貿易障壁への対抗措置という意味合いに加え、ロシア産エネルギーの購入を続けるインドをけん制する狙いもあった。
モディ首相もX(旧ツイッター)への投稿で、ウクライナ紛争の平和的解決に向けたトランプ氏の取り組みを支持すると表明。「インドは印米の包括的グローバルパートナーシップを新たな高みに引き上げることに完全にコミットしている」とも述べた。
ウクライナとその同盟国は、インドや中国によるロシア産エネルギー購入が対ロシア制裁の効果を損なっていると主張している。インド当局者は、ロシア産原油の購入を擁護し、価格的に有利である限り購入を続ける意向を示してきた。
米印両国は当初、今秋の2国間協定締結を目指していたが、協議は行き詰まり、トランプ氏はここ数カ月、インドとロシアの関係に圧力を加えようと姿勢を硬化させていた。
米国とインドがロシア産原油購入を巡る問題をどのように解決するかは不透明だ。トランプ氏は最近、主要7カ国(G7)を含む他の同盟国に対しても、ロシア産エネルギーを大量購入するインドや中国への制裁を強化するよう求めている。
こうした追加制裁は米印貿易合意を妨げる恐れがあるほか、米中の貿易休戦にも悪影響を及ぼす可能性がある。
原題:Trump, Modi Speak in Bid to Ease Clash Over Tariffs, Russian Oil(抜粋)
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